成田空港ラウンジはどこまでゴールドカードで入れる?ターミナル別・カード別に最新解説

成田空港ラウンジ ゴールドカード 未分類
  1. 第1章 成田空港ラウンジとゴールドカードの基本
    1. 成田空港のラウンジは大きく3タイプある
    2. ターミナル別・ラウンジ&PP対象施設の全体像
    3. 出発・到着・国内線、いつラウンジを使えるか
    4. ゴールドカード/PP/現金払いの3つの入口
    5. 情報が変わりやすいポイントと確認のクセづけ
  2. 第2章 IASSラウンジ4カ所とPP対象施設の詳細
    1. 第1ターミナル「IASS EXECUTIVE LOUNGE 1」
    2. 第2ターミナル「IASS EXECUTIVE LOUNGE 2」
    3. 上位向け「IASS Superior Lounge 希和 -NOA-」
    4. 上位向け「IASS Superior Lounge 虚空 -KoCoo-」
    5. 9h nine hours・ぼてぢゅう屋台などPP対象施設
  3. 第3章 ゴールドカードとプライオリティ・パスの仕組み
    1. ゴールドカード共通の空港ラウンジ利用ルール
    2. JCB系カードの特徴と成田との相性
    3. 楽天プレミアムカードとPPの2025年仕様
    4. アメックス発行PPと非ラウンジ施設制限
    5. 利用回数別・どのカードを選ぶかの目安
  4. 第4章 タイプ別シナリオで見る成田ラウンジ活用法
    1. 地方から前泊→成田→海外へ行く家族旅行
    2. 第3ターミナルLCCユーザーの現実的な動き方
    3. 長時間トランジットで「9h+ラウンジ」を活用する
    4. 出張で成田を多用する人の仕事モード利用
    5. 上級会員を目指すか、ゴールド+PPで行くか
  5. 第5章 チェックリスト&Q&Aで不安をつぶす
    1. ターミナルと使える施設を一気に整理する
    2. 「このゴールドカードで本当に無料か?」を確認する手順
    3. PPレストランが使えないときの現実的な対処法
    4. 同伴者・家族カード・子ども連れの注意点
    5. よくある質問Q&A
  6. まとめ

第1章 成田空港ラウンジとゴールドカードの基本

成田空港ラウンジ ゴールドカード

成田空港に行くと、「EXECUTIVE LOUNGE」や「Superior Lounge」といった案内板と、クレジットカード会社のロゴがあちこちに目に入ります。「ゴールドカードさえ持っていれば、ああいう場所でのんびりできるんだろうな」と思いながらも、実際には仕組みがよく分からず、いつもフードコートの席を探している――そんな人は少なくないはずです。

さらにややこしいのが、プライオリティ・パスやカード会社側のルール変更です。楽天プレミアムカードのPPが「年5回まで・ラウンジのみ」になった話や、アメックス発行PPではレストラン特典が使えなくなった話など、断片的なニュースだけが頭に残って、「結局、自分の場合はどこまで使えるのか」が見えにくくなっています。

そこでこの記事では、「成田空港ラウンジ ゴールドカード」というキーワードを入り口に、IASS EXECUTIVE/Superiorラウンジ4カ所と、9h・ぼてぢゅう屋台などPP対応施設の最新事情、JCB・楽天プレミアムカード・アメックス発行PP・セゾンプラチナ・ビジネス・アメックスといった主要カードの現在のルール、さらに家族旅行・LCC利用・出張といったシーン別の実用的な使い方までを、2025年時点の情報にもとづいて整理しました。読み終えるころには、「自分のケースだとこのカードでここを使うのが一番スムーズだな」「次の成田ではこう動こう」という具体的なイメージが、無理なく描けるようになっているはずです。

成田空港のラウンジは大きく3タイプある

成田空港には「ラウンジ」と名のつく場所がいくつもありますが、まずは種類ごとに分けて考えると理解しやすくなります。ざっくり言うと、次の3タイプです。

  1. クレジットカード系ラウンジ

  2. 航空会社が運営するラウンジ

  3. カプセルホテルやレストランなど、ラウンジ以外の有料施設

1つ目のクレジットカード系ラウンジにあたるのが、IASSが運営する「IASS EXECUTIVE LOUNGE 1・2」と、上位向けの「IASS Superior Lounge 希和 -NOA-/虚空 -KoCoo-」です。EXECUTIVE 1・2は一般エリア(出国前)にあるため、出発前だけでなく到着後や国内線乗り継ぎのときにも使えるのが大きなポイントです。

2つ目は、ANAラウンジやJALサクララウンジなど、航空会社が自社の上級会員やビジネスクラス以上の乗客向けに運営しているエリアです。ここはゴールドカードとは別の世界で、「どの航空会社にどれだけ乗っているか」「どの運賃クラスか」で入室の可否が決まります。

3つ目は、カプセルホテル「9h nine hours Narita Airport」や、第3ターミナルの「ぼてぢゅう屋台」など、ラウンジ以外の有料施設です。これらはプライオリティ・パス(以下PP)や一部プラチナカードの特典で割安になったり、実質無料になったりするケースがあります。

この記事では、「成田空港ラウンジ ゴールドカード」を軸にして、この3つのうち1と3を中心に整理していきます。2の航空会社ラウンジは、基本的な位置づけだけ押さえておき、細かい条件は各社公式サイトで確認する前提にしておくと、情報が混ざらずスッキリ頭に入ります。


ターミナル別・ラウンジ&PP対象施設の全体像

成田空港は第1〜第3ターミナルまであり、それぞれ使える施設が違います。まずはターミナルごとに「何があるのか」をイメージしておきましょう。

第1ターミナル(T1)

  • 一般エリア:

    • IASS EXECUTIVE LOUNGE 1

  • 国際線出発エリア(制限エリア内):

    • IASS Superior Lounge 希和 -NOA-

  • PP対応の飲食店:

    • Japanese Grill & Craft Beer TATSU など

第2ターミナル(T2)

  • 一般エリア:

    • IASS EXECUTIVE LOUNGE 2

  • 国際線出発エリア:

    • IASS Superior Lounge 虚空 -KoCoo-

  • 一般エリアのPP対応施設:

    • 9h nine hours Narita Airport(カプセルホテル) など

第3ターミナル(T3)

  • カードラウンジ:なし

  • PP対応施設:

    • ぼてぢゅう屋台(フードコート内の飲食店)

このように、「T1・T2にはカード系ラウンジがある」「T3にはカード系ラウンジはないがPP対応の飲食店がある」という構造になっています。

自分の便がどのターミナル発着なのかを予約メールや航空会社アプリで確認し、「このターミナルなら、あの施設を狙う」とざっくり決めておくと、当日の動き方を組み立てやすくなります。


出発・到着・国内線、いつラウンジを使えるか

同じ施設でも、「出発前だけ使える場所」と「到着後も使える場所」があります。ここを理解しておかないと、せっかくゴールドカードを持っていても十分に活かせません。

IASS EXECUTIVE LOUNGE 1・2は、どちらもランドサイド(出国前の一般エリア)にあります。このため、国際線出発前だけでなく、到着後や国内線乗り継ぎのときにも利用できます。PPの案内でも「到着・出発・国内線乗り継ぎで利用可」とされているケースが多く、出国前だけに限られません。

一方、IASS Superior Lounge 希和 -NOA- と 虚空 -KoCoo- は、どちらも国際線の出発エリア(保安検査・出国審査の後)にあります。そのため、「成田から国際線で出発するときだけ」利用できる場所です。到着後に出国側へ戻ることはできないので、帰国後の休憩に使うことはできません。

国内線利用の場合も同様で、NOAやKoCooは国際線エリアにあるため使えません。国内線を利用するときや、到着後に少し休みたいときは、基本的にEXECUTIVEラウンジに向かうイメージで考えておくとよいでしょう。


ゴールドカード/PP/現金払いの3つの入口

成田空港のラウンジやPP対象施設に入る方法は、大きく3つに分けられます。

1つ目は、「空港ラウンジサービス付きゴールドカード」で入る方法です。JCBゴールドなどのプレミアムカードでは、「カードと当日の搭乗券を提示すると国内主要空港ラウンジを無料利用できる」と案内されており、その中に成田のIASS EXECUTIVE LOUNGE 1・2が含まれていることが多いです。本人会員と家族会員が無料で、同伴者は有料、というパターンが一般的です。

2つ目は、PPやDiners、Mastercard Airport Experiencesなど「ラウンジ専用会員証」で入る方法です。この場合、IASS EXECUTIVE/Superiorラウンジに加えて、9hやぼてぢゅうなど“ラウンジ以外の施設”にもアクセスできる可能性があります。ただし、近年はクレジットカード付帯PPの内容が改定され、「ラウンジ以外の施設は対象外」としているカードが増えています。

3つ目は、「現金払い(またはラウンジ利用付きのツアー商品など)」で利用する方法です。IASSの日本語公式では、大人の料金について「カード会社からの案内を確認してください」としており、具体的な金額は固定されていません。旅行会社経由のラウンジ付き商品では1,000〜3,000円台で販売されている例が多く、あくまで目安として「1回数千円程度」と考えておくとイメージしやすいでしょう。ただし、空港・販売元・為替レートによって変わるので、“参考程度”ととらえるのが安全です。


情報が変わりやすいポイントと確認のクセづけ

ラウンジまわりの情報で、とくに変わりやすいのは次の3点です。

  1. 営業時間や運営状況

  2. PP付帯カードの条件(回数・対象施設)

  3. ラウンジ側が受け付けるカードの種類

IASS EXECUTIVE LOUNGE 1・2は、公式サイトではどちらも「7:00〜21:00」と案内されていますが、状況によって短縮営業や一時休止になる可能性はゼロではありません。

PPやカード会社の条件については、この数年だけ見ても大きな変化がいくつもありました。楽天プレミアムカードのPPが「無制限→年5回」「ラウンジのみ」に変わったのはその代表例です。アメックス発行PPのように、レストランやスパなどの非ラウンジ施設を対象外にした例もあります。

さらに、ラウンジ側の対応カードも「ゴールドカード以上が対象」「カード会社により条件が異なる」といった書き方がされていて、具体的なカード名はカード会社に任されています。

このような状況なので、出発前には最低限、次の4つだけは確認するクセをつけておくと安心です。

  • 成田空港公式サイト(ターミナル・フロア案内)

  • IASS公式サイト(各ラウンジの場所・営業時間)

  • 自分のカード会社の空港ラウンジサービス案内ページ

  • PP公式サイト/アプリ(対象施設・利用条件)

5〜10分ほどかけてこれらを確認しておくだけで、「ブログで見た情報と違った」というトラブルをかなり防げます。


第2章 IASSラウンジ4カ所とPP対象施設の詳細

第1ターミナル「IASS EXECUTIVE LOUNGE 1」

IASS EXECUTIVE LOUNGE 1は、第1ターミナル中央ビル5階にあるカードラウンジです。IASS公式サイトの情報をまとめると、次のような内容です。

  • 場所:第1ターミナル中央ビル5階(一般エリア)

  • 営業時間:7:00〜21:00

  • 座席数:78席

  • サービス:

    • ソフトドリンク飲み放題

    • アルコールは1人1杯まで無料(ビールなど)

    • 新聞・雑誌

    • 無線LAN(Wi-Fi)

ここで少しややこしいのが、子ども料金の表記です。

IASS公式サイトには、英語ページと日本語ページがあり、それぞれで子ども料金の数字が異なります。

  • 英語ページ:4〜12歳 Child JPY 500(tax included)

  • 日本語ページ:小人 4〜12歳 550円(税込)、3歳以下無料

つまり、同じIASS公式サイトの中に「500円」と「550円」という2つの金額が並んでいる状態です。実際の請求額は時期や税率変更の反映タイミングなどによって変わりうるため、最終的にはラウンジ受付で提示された金額、もしくはカード会社の案内に従う必要があります。ここでは、「4〜12歳は子ども料金がかかる」「3歳以下は無料」という枠組みだけ覚えておくとよいでしょう。

さらにややこしいのが、「PPやDinersなどプログラム側の年齢ルール」です。PPやDiners、Amexラウンジ案内では、「12歳未満は無料」と記載している例が多くあります。これはあくまで「プログラム側のカウントルール」で、IASS公式子ども料金とは別レイヤーになります。

分かりやすくするために、ざっくり比較表を置いておきます(数字は2025年時点の公式ページに基づく一般的な例です)。

項目 IASS公式(ラウンジ側) PP/Diners/Amexなどプログラム側の一例
子どもの年齢区分 4〜12歳:子ども料金/3歳以下:無料 12歳未満:無料として扱う例が多い
金額の一例 日本語:4〜12歳 550円(税込)/英語:500円表記あり 無料(ラウンジ利用回数としてカウントのみ)
判断の基準 ラウンジ受付で支払う“料金” プログラムが「無料入室」とみなす“カウント条件”

家族旅行で使うときは、

  • 「今回はゴールドカード特典で入るのか」

  • 「PPで入るのか」
    を事前に決めたうえで、「このルートなら子どもはどう扱われるか」を確認しておくと、受付で慌てずにすみます。

EXECUTIVE 1は一般エリアにあるため、出発前・到着後・国内線乗り継ぎのすべてのタイミングで利用の余地があります。到着後、スーツケースを受け取ってからここに立ち寄り、飲み物を飲みながらメール整理やメモ書きをしておくと、自宅や職場に着いてからの作業がかなり軽くなります。


第2ターミナル「IASS EXECUTIVE LOUNGE 2」

IASS EXECUTIVE LOUNGE 2は、第2ターミナル本館4階にあります。3階の出発ロビーから1つ上のフロアに上がった位置で、T2の中心的なカードラウンジです。日本語公式サイトの情報を整理すると、内容はおおむねEXECUTIVE 1と共通です。

  • 場所:第2ターミナル本館4階(一般エリア)

  • 営業時間:7:00〜21:00

  • 座席数:138席

  • サービス:ソフトドリンク飲み放題、アルコール1杯無料、新聞・雑誌、Wi-Fi

  • 子ども料金:4〜12歳 小人料金(日本語ページでは550円)、3歳以下無料

ここでも、英語ページでは「4〜12歳 500円」と表記されている箇所があり、EXECUTIVE 1と同様に「500円/550円」の二重表記問題があります。大まかな方向性(4〜12歳が有料、3歳以下無料)は変わらないので、実際にいくらかかるかは「ラウンジ受付で告げられた金額」「カード会社の案内」を最終的な基準にしてください。

第2ターミナルの特徴は、第3ターミナルと連絡通路とバスでつながっていることです。第3ターミナル発のLCCを利用する場合でも、少し時間に余裕を持って第2ターミナルに着いておけば、チェックイン後にEXECUTIVE 2で休憩してから、第3ターミナルに移動することができます。

ただし、ターミナル間の移動には、徒歩でもバスでも片道15〜20分程度かかることがあります。ラウンジを出発する時間は、搭乗時刻の40〜60分前を目安にすると安全です。


上位向け「IASS Superior Lounge 希和 -NOA-」

IASS Superior Lounge 希和 -NOA- は、第1ターミナル国際線出発エリア3階、26番ゲート付近にあります。PPなどの情報では、次のような内容が案内されています。

  • 場所:第1ターミナル 国際線出発エリア3階、Gate 26付近

  • 営業時間:7:30〜21:00

  • 利用時間の目安:最大2時間(プログラム側の条件)

  • 子ども:6歳未満無料

NOAは、EXECUTIVEラウンジよりもグレードの高い空間で、ホットミールや軽食、デザート、ビール・ワインなどのアルコールがビュッフェ形式で提供されます。長距離フライト前にしっかり食事を取りたい人や、機内ではすぐに寝たい人にとって、とても使い勝手のよい場所です。

利用条件は、PPやDragonPass、LoungeKeyなどの会員証、あるいは一部プラチナカードや航空会社のビジネスクラス・上級会員資格などです。一般的な年会費1万円台のゴールドカード単体では入れないことが多く、「PP付きプラチナカード」「上級会員」「上位クラスの航空券」が主なルートになります。

NOAは国際線の制限エリア内にあるため、成田到着後や国内線利用だけでは使えません。必ず「第1ターミナル発の国際線」で、「出発前」にしか行けない場所だと覚えておいてください。


上位向け「IASS Superior Lounge 虚空 -KoCoo-」

IASS Superior Lounge 虚空 -KoCoo- は、第2ターミナル国際線出発エリア4階にあります。こちらもNOAと同じく、PPなどで次のように案内されています。

  • 場所:第2ターミナル 国際線出発エリア4階

  • 営業時間:7:30〜21:00

  • 利用時間の目安:最大2時間(プログラム側の条件)

  • 子ども:6歳未満無料

サービス内容もNOAと似ていて、温かい食事や軽食、デザート、アルコールなどを、ゆったりした空間で楽しむことができます。ヨーロッパ線など長距離フライトの前にここでしっかり食べておけば、機内食は軽くつまむ程度にして、睡眠優先のペースを作りやすくなります。

KoCooも、国際線出発エリア内にあるため、「第2ターミナル発の国際線で出発する場合」に限って利用できます。第3ターミナル発のLCCや、第1ターミナル発のスターアライアンス系フライトでは使えないので、「自分の便が本当に第2ターミナルから出るのか」を必ず確認しておきましょう。


9h nine hours・ぼてぢゅう屋台などPP対象施設

成田ならではの特徴として、ラウンジ以外のPP対象施設も見逃せません。その代表が、カプセルホテル「9h nine hours Narita Airport」と、第3ターミナルの「ぼてぢゅう屋台」です。

9h nine hours Narita Airport

9hは、第2ターミナルと立体駐車場P2を結ぶ連絡通路から地下へ降りた場所にあるカプセルホテルです。PPの案内によると、カード保持者はラウンジ無料利用1回分を使うことで、午前9時から午後6時の間に最大5時間までカプセルを利用できます。5時間を超える、または午後6時以降も滞在する場合は、通常料金から3,400円(税込)が割引されるルールになっています。

利用には、「24時間以内に出発するフライトの搭乗券」が必要です。つまり、前泊でゆっくり泊まるというより、長めのトランジットや前後の空き時間を「数時間の仮眠+シャワー」に使うイメージです。

ぼてぢゅう屋台(BOTEJYU)

ぼてぢゅう屋台は、第3ターミナル2階のフードコート内にあり、PP対応レストランとして知られています。PPでは、ラウンジ1回分を使うことで3,400円相当のセットメニューを無料で楽しめるプランが用意されています。利用は出発3時間以内など細かな条件があるため、訪れる前にPPアプリで最新の案内を確認しておきましょう。

ここで特に重要なのが、「どのPPなのか」という点です。

  • 楽天プレミアムカード付帯PP:

    • 2025年1月2日以降、「ラウンジのみ利用可」とされ、レストランやホテルなどの“非ラウンジ施設”は対象外

  • アメックス発行PP:

    • 2019年以降、レストランやバーなど非ラウンジ施設を原則対象外として運用

一方で、PP本会員(直接契約)や、セゾンプラチナ・ビジネス・アメックスなど一部のカードでは、2025年時点でも国内レストランやカプセルホテルへのアクセスが継続している例があります。ただし、このあたりはカードごとの差が非常に大きく、「同じPPでも、どのカードから発行されたか」で9hやぼてぢゅうが使えたり使えなかったりするのが現状です。

そのため、「PPがある=ぼてぢゅうや9hが必ず使える」と考えるのは危険です。必ず、自分のPPがどのカードに付いているものなのかを確認し、そのカード会社の案内とPP公式の両方で「9h/ぼてぢゅうが対象かどうか」をチェックしてから計画を立てるようにしてください。


第3章 ゴールドカードとプライオリティ・パスの仕組み

ゴールドカード共通の空港ラウンジ利用ルール

ゴールドカードで空港ラウンジを使うときの基本的なルールは、ブランドが違ってもある程度共通しています。

多くの場合、次の2つをラウンジ受付で提示すると、本人会員は無料で入室できます。

  • ラウンジ特典付きのゴールドカード(またはそれ以上)

  • 利用当日の搭乗券

家族会員については、本会員と同様に無料でラウンジを利用できることが多い一方、完全に別人の友人や恋人は「同伴者」として扱われ、有料になるケースが一般的です。

注意したいのは、「ゴールドカードなら何でもOK」ではないということです。たとえば同じVisaゴールドでも、発行会社やカードの種類によっては空港ラウンジサービスの対象外となっているものもあります。IASS側も公式サイトで「ゴールドカード以上が対象」「カード会社により条件が異なる」と述べており、最終的な判断をカード会社に委ねる形を取っています。

そのため、出発前には次の3点だけは必ずチェックしておきましょう。

  1. 自分のカード名(例:JCBゴールド、三井住友カード ゴールドなど)が、空港ラウンジサービスの対象になっているか

  2. 対象空港に「成田空港」が含まれているか

  3. 利用回数制限や同伴者の扱い(何回まで無料か、同伴者は何人まで無料・有料か)

これだけ確認しておけば、ラウンジ受付で「対象外でした」と言われる可能性をかなり減らせます。


JCB系カードの特徴と成田との相性

国内で空港ラウンジと相性が良いブランドとして、JCB系カードは定番の存在です。JCBゴールドやJCBプラチナといったプレミアムカードでは、「国内主要空港+ホノルル」のラウンジを無料で利用できるサービスがあり、その中に成田のIASS EXECUTIVE LOUNGE 1・2が含まれているケースが多く見られます。

利用回数については、カードの種類や発行会社・発行国によって異なります。日本国内向けの一般的なJCBゴールドの案内では、「年◯回まで」といった具体的な回数が明記されていない場合もあり、「詳しくはカード会社へ」という書き方になっていることもあります。一方で、海外発行のビジネスカードなどでは、「日本・ハワイの空港ラウンジを年間◯回まで」といった別サービスが用意されている例もあり、「JCBだから一律こう」とは言い切れません。

成田に限って言えば、JCB系ゴールドカードを1枚持っておくと、第1ターミナルと第2ターミナルのEXECUTIVEラウンジを「出発前・到着後・国内線乗り継ぎ時の控え室」として活用しやすくなります。家族カードも発行しておけば、夫婦それぞれが自分のカードでラウンジに入れたり、PP申し込み対象カードを増やしたりできるため、家族旅行でも使いやすくなります。

ただし、最終的な利用条件(何回まで無料か・家族カードも対象か・同伴者が無料になるかなど)はカードごとに違うため、「JCBのラウンジサービス」と「自分のカードの案内ページ」の両方を見て、最終確認しておくことが大切です。


楽天プレミアムカードとPPの2025年仕様

楽天プレミアムカードは、かつて「PP無制限」で人気を集めていましたが、2025年からはかなり性格が変わりました。楽天カード公式の発表によると、変更点は大きく2つあります。

1つ目は、「PPの無料利用回数」です。2025年1月15日以降、楽天プレミアムカードに付帯するPPは、「ラウンジ無料利用は年間5回まで」となりました。6回目以降は、1回あたり35米ドルの有料となります。

2つ目は、「利用できる施設の種類」です。2025年1月2日から、楽天プレミアムカード経由のPPで無料利用できるのは「国内外のラウンジのみ」となり、レストランやスパ、カプセルホテルなどの非ラウンジ施設は対象外になりました。

このため、成田空港で楽天プレミアムカードのPPを使う場合、IASS EXECUTIVE/Superiorラウンジなど「ラウンジ」と名前のつく施設は利用できますが、9hやぼてぢゅう屋台などはPPの対象外です。

結果として、楽天プレミアムカードは「PPを何十回も使う人」向けというより、「年に数回の海外旅行・国内旅行のときにラウンジを5回分だけしっかり使う人」向けのカードに変わったと考えられます。年1〜2回の海外旅行+年数回の国内線で、出発前やトランジットでラウンジを5回使えれば十分、という人にとっては、まだ十分な価値があると言えるでしょう。


アメックス発行PPと非ラウンジ施設制限

アメリカン・エキスプレスが発行するPPも、2019年頃から大きな変化がありました。アメックス側の案内や海外のニュースサイトでは、「Amex発行PPでは、通常のPPで提供されているレストランなどの“non-lounge airport experiences”は対象外になる」と説明されています。

つまり、アメックス発行PPの場合、基本的には次のような整理になります。

  • 空港ラウンジ:利用可

  • レストラン(食事クレジット):利用不可

  • スパ・一部の非ラウンジ体験:原則不可

成田空港で言えば、ぼてぢゅう屋台のようなレストラン特典は、アメックス発行PPでは使えない、と考えるのが現実的です。

一方で、9hのようなカプセルホテル型施設については、世界的には「Amex発行PPでも使えた」ケースが紹介されることがありますが、カードの種類や発行地域によって扱いが異なる可能性があります。

ここで大切なのは、「アメックス発行PPだからといって、成田の非ラウンジ施設が一律OKになるわけではない」という点です。実務的には、アメックス発行PPは「ラウンジ専用の特典」と考え、レストランやカプセルホテルなどへのアクセスは、別のPP付きカードやPP本会員契約でカバーする、という発想の方が安全です。

利用を検討する際は、必ずアメックス公式の案内とPPアプリの両方を確認し、対象施設かどうかを1つ1つ確かめてから動くようにしましょう。


利用回数別・どのカードを選ぶかの目安

ここまでの内容を、「自分がどれくらい飛行機に乗るか」という視点で整理してみます。

年1〜2回だけ成田を利用する人
この場合、高い年会費を払ってまでゴールドカードやPP付きカードを持つ必要はないことも多いです。そのつど有料でラウンジを使ったり、ラウンジ利用付きのツアー商品を選んだりする方が、トータルで安く済む可能性があります。

年3〜5回程度成田を利用する人
このあたりから、年会費1万円台のゴールドカードやPP付きカードが現実的な選択肢になってきます。年4回ラウンジを利用すると、1回あたり2,000〜3,000円分の価値があると考えても、年会費を回収しやすくなります。そこに海外旅行保険や手荷物宅配などの特典が加わると、総合的な価値はさらに高くなります。

年6回以上、特に海外出張や長距離フライトが多い人
この層になると、PP本会員契約や、PP無制限付きプラチナカード、さらには航空会社の上級会員資格なども検討対象になります。ただし、最近はPP付帯カードのレストラン特典などが相次いで縮小されているため、「PPさえあれば世界中でレストラン利用し放題」という考え方は現実とズレてきています。

最終的には、

  • 年間のフライト回数

  • そのうち何回が成田発着か

  • 家族と一緒に使うか、一人で使うことが多いか

  • ラウンジで何を重視するか(食事・仕事・仮眠など)

を紙に書き出し、それに合うカードを選ぶと、大きな失敗を避けやすくなります。


第4章 タイプ別シナリオで見る成田ラウンジ活用法

地方から前泊→成田→海外へ行く家族旅行

地方空港から成田へ移動し、周辺ホテルに前泊して翌日海外へ向かう家族旅行は、日本でもよくあるパターンです。このときのラウンジ活用の流れをイメージしてみます。

前日は早めにホテルへチェックインし、子どもを早めに寝かせます。当日の朝は、ホテルのシャトルバスなどで成田空港へ向かい、第1ターミナル発ならEXECUTIVE 1、第2ターミナル発ならEXECUTIVE 2を目指します。

チェックインと荷物預けを済ませたら、一般エリアのEXECUTIVEラウンジに入り、家族で一息つきます。子どもにはジュースや軽食、大人はコーヒーを飲みながらパスポートや搭乗券の確認、現地で使うアプリのチェックなどを行います。出国後の免税店エリアは、子どもにとっては刺激が多くバタバタしがちなので、「落ち着いて準備する時間」をラウンジで確保しておくと、その後がかなり楽になります。

このとき大切なのは、誰がどのカードで入るかを事前に決めておくことです。

  • 両親がJCBゴールド本会員+家族カードの場合:

    • 両親はカード特典で無料

    • 子どもはIASSの子ども料金(4〜12歳有料・3歳以下無料)がかかる可能性がある

  • 両親の片方がPPを持っている場合:

    • 12歳未満の子どもはPPのルール上無料でカウントされることもある

このように、「IASSの子ども料金」と「PPやカードの年齢ルール」が交差するため、家族構成と手持ちのカードの組み合わせを事前に整理しておくと、受付でスムーズに説明できます。


第3ターミナルLCCユーザーの現実的な動き方

第3ターミナル発のLCCをよく使う人だと、「T3にはカードラウンジがないから、ゴールドカードを持っていても意味がないのでは」と思うかもしれません。しかし、T2のEXECUTIVE 2とT3のぼてぢゅう屋台をうまく組み合わせると、意外と快適に過ごせます。

例として、出発2時間半〜3時間前に成田に到着するケースを考えます。まず第2ターミナルに行き、チェックインや荷物預けを済ませます。そのあと4階のEXECUTIVE 2へ向かい、ゴールドカードやPPで1時間ほど休憩します。ここでスマホやPCの充電、メール処理、資料確認などを一気に済ませておけば、LCC機内で電源がなくても困りにくくなります。

その後、無料連絡バスや徒歩通路で第3ターミナルへ移動し、フードコートのぼてぢゅう屋台で食事をします。もし自分のPPがレストラン特典に対応しているものであれば、3,400円相当のセットメニューをPP1回分として楽しむことができます。

ここでのポイントは、

  • PPがレストラン特典に対応しているカードなのか

  • ぼてぢゅう屋台が現在も対象施設として表示されているか

の2点です。楽天プレミアムカードやアメックス発行PPなど、「ラウンジのみ利用可」としているカードでは、ぼてぢゅう屋台の特典は使えません。一方で、PP本会員やセゾンプラチナ・ビジネス・アメックスなど、一部のカードでは2025年時点でもぼてぢゅうを含むレストラン特典が生きている例があります。

同じ「PP保持者」でも、どのカード経由かによってできることが大きく変わるので、PPアプリとカード会社のお知らせで、必ず自分のケースを確認しておきましょう。


長時間トランジットで「9h+ラウンジ」を活用する

海外から成田に到着し、次の便まで6〜8時間あくような長時間トランジットでは、「どこで休むか」がかなり重要になります。このようなケースで役立つのが、9h nine hoursとIASS EXECUTIVEラウンジの組み合わせです。

たとえば、午前中に成田に到着し、夕方に国内線で地方へ帰るパターンを考えます。入国審査と税関を抜けたら、第2ターミナルに移動し、9h nine hoursへ向かいます。PPの対象カードを持っていれば、午前9時〜午後6時の間、最大5時間までラウンジ1回分としてカプセルを使えます。ここでシャワーを浴びて横になり、2〜3時間しっかり仮眠を取れば、長距離フライトの疲れをかなりリセットできます。

その後、チェックイン開始時刻が近づいてきたら、一般エリアのEXECUTIVE 2へ移動し、残り時間をPC作業やメール整理にあてます。9hでは完全にオフモード、ラウンジでは軽い仕事モードと役割を分けることで、トランジット時間を「休息+仕事の前倒し」に変えられます。

ただし、9hがPPの対象になるかどうかは、カードによって異なります。楽天プレミアムカードやアメックス発行PPなど、「ラウンジのみ対象」のカードでは9hは利用できません。一方、PP本会員や一部プラチナカードでは対象となるケースがあります。ここでも、「同じPPでもどのカード経由か」で結論が変わるので、事前にPPアプリとカード会社のお知らせで必ず確認しておきましょう。


出張で成田を多用する人の仕事モード利用

仕事で成田を何度も利用する人にとって、ラウンジは「無料ドリンクを飲む場所」以上に、「移動中のサテライトオフィス」としての役割が大きくなります。

出発前は、チェックインと荷物預けを済ませたあと、EXECUTIVE 1または2に入り、フライト前の1〜2時間でメール返信や資料確認、簡単な見積もり作成などを一気に片付けます。Wi-Fiと電源が安定しているので、混雑したカフェよりも集中しやすく、フライト中や到着後の時間を「考える仕事」や「打合せ」に回しやすくなります。

到着後も、すぐに電車やバスで移動するのではなく、EXECUTIVEラウンジで1時間だけ仕事の「後片付け」をしておくと効果的です。旅費精算用のメモや次のアクションリストを作っておけば、オフィスや自宅に戻ってから改めて作業時間をとる必要が減ります。

オンライン会議がある場合は、

  • 短時間の通話や音声のみの打ち合わせ → ラウンジ内でイヤホンを使い、声のボリュームを下げて対応

  • 長めのビデオ会議 → ラウンジ外の静かなスペースや会議用ブースを利用

といった形で場所を使い分けると、周囲への配慮もしやすくなります。


上級会員を目指すか、ゴールド+PPで行くか

成田を頻繁に使うようになると、「航空会社の上級会員を目指した方がよいのか」「ゴールドカードとPPだけで十分なのか」という悩みが出てきます。

ANAやJALの上級会員になると、成田の自社ラウンジ(ANAラウンジやサクララウンジなど)を利用できるようになります。これらのラウンジは、IASSラウンジよりも広く、食事やアルコール、シャワー設備などが充実していることが多く、ヘビーユーザーにとっては大きなメリットがあります。

一方で、上級会員資格を取得・維持するには、年間の搭乗回数や搭乗距離がかなり必要です。仕事で頻繁に飛行機に乗る人や、いわゆる「修行」を楽しめる人向けのルートであり、家族旅行中心で年数回しか飛行機に乗らない人には、コストと見合わない場合もあります。

ゴールドカード+PPの組み合わせは、年会費1〜2万円台から始められ、成田だけでなく国内外のラウンジを広くカバーできます。PP付帯カードの条件が厳しくなったとはいえ、「年に数回の旅行でラウンジを使う」という目的には十分な場合も多いです。

ざっくりとした目安としては、

  • 同じ航空会社で年10回以上フライトに乗る → 上級会員ルートも検討

  • 年に数回の海外旅行+ときどきの国内線 → ゴールドカード+PPで十分

くらいで考えてみるとわかりやすいでしょう。いきなり上級会員を目指すのではなく、まずはゴールドカードでラウンジ生活を試し、そのうえでもっと深く使いたくなったら上級会員資格を検討する、というステップを踏むと失敗が少なくなります。


第5章 チェックリスト&Q&Aで不安をつぶす

ターミナルと使える施設を一気に整理する

出発前にまず確認したいのが、「自分の便がどのターミナルから出るか」と「そのターミナルで何が使えるか」です。

簡単に整理すると、次のようになります。

  • 第1ターミナル発:

    • 一般エリア:EXECUTIVE 1

    • 国際線出発:NOA

    • PP対応レストラン:TATSUなど

  • 第2ターミナル発:

    • 一般エリア:EXECUTIVE 2

    • 国際線出発:KoCoo

    • 一般エリア:9h nine hours

  • 第3ターミナル発:

    • カードラウンジ:なし

    • PP対応施設:ぼてぢゅう屋台

ターミナル間の移動には時間がかかるため、T3発LCCでT2のEXECUTIVEラウンジを使う場合などは、とくに移動時間に余裕を持たせることが大切です。


「このゴールドカードで本当に無料か?」を確認する手順

ゴールドカードをラウンジ受付で差し出したのに、「このカードは対象外です」と言われるのは避けたいものです。

そのための確認手順は、次の3ステップです。

  1. カード会社公式サイトの空港ラウンジ案内を見る

    • 「空港ラウンジサービス」「国内空港ラウンジ」といったページで、自分のカードが対象かどうか、対象ラウンジ一覧に成田のIASS EXECUTIVE 1・2が含まれているか確認します。

  2. 利用回数・同伴者の扱いを確認する

    • 「年◯回まで無料」「同伴者1名まで無料」「家族カードも対象」など、細かい条件が書かれているので、ここを必ずチェックします。

  3. IASS側の注意書きを読む

    • IASS公式サイトには、「ゴールドカード以上が対象」「カード会社により条件が異なる」といった説明があります。最終判断はカード会社に委ねられているため、「迷ったらカード会社に問い合わせる」という前提を持っておくことが重要です。

この3つを出発前に確認しておくだけで、ラウンジの受付で想定外の支払いが発生するリスクを大きく減らせます。


PPレストランが使えないときの現実的な対処法

最近よく聞くトラブルが、「PPを持っているのに、レストラン特典が使えなかった」というものです。これは主に、カード会社が付帯PPの内容を変更し、「ラウンジ以外の施設」を対象外にしていることが原因です。

代表的な例が楽天プレミアムカードで、2025年1月2日以降、「PPで無料利用できるのはラウンジのみ」となりました。アメックス発行PPも、2019年頃からレストラン・スパなど非ラウンジ施設を対象外としています。

この流れを踏まえると、「PPさえあれば世界中でレストランが無料になる」という時代ではなくなってきています。

現実的な対処法としては、

  • 「自分のPPはラウンジのみか/レストランも対象か」をPPアプリとカード会社のお知らせで必ず確認する

  • レストラン特典を前提にした計画は立てず、「使えたらラッキー」程度に考える

  • どうしてもレストラン特典を重視したい場合は、PP本会員契約や、まだレストラン特典に対応しているカード(セゾンプラチナ・ビジネス・アメックスなど)を時間をかけて検討する

といった方針が現実的です。

成田の場合、「ぼてぢゅう屋台や9hはPP対応施設だが、自分のPPが本当に使えるかどうかはカード次第」という前提を持っておけば、現地でのギャップを最小限に抑えられます。


同伴者・家族カード・子ども連れの注意点

家族や友人とラウンジを利用するときは、「本人」「家族カード」「同伴者」「子ども」の区別を意識しておく必要があります。

  • 本人カード:ラウンジ特典の主体

  • 家族カード:本人と同じようにラウンジを利用できることが多い

  • 同伴者:友人や恋人など、カード名義人とは別の人。多くの場合、有料

  • 子ども:ラウンジ側の子ども料金と、プログラム側の年齢ルールの両方を確認

先ほどの表を思い出すと、

  • IASS公式:4〜12歳は子ども料金(日本語ページでは550円)、3歳以下無料

  • PPなどプログラム:12歳未満無料扱いとしている例が多い

という二層構造になっています。

家族で利用する場合、例えば次のような組み合わせが考えられます。

  • 両親:JCBゴールド本会員+家族カード → カード特典で無料

  • 小学生の子ども:PPで12歳未満無料扱いにする

  • 中学生の子ども:同伴者として有料

どのパターンが一番お得かは、その家族が持っているカードの組み合わせによって変わります。出発前に一度紙に書き出して、「誰がどのカードで入るか」を決めておくと、受付でスムーズに案内を受けられます。

また、子ども連れでラウンジを使うときは、できるだけ壁際や奥まった席を選び、動画を見るときはイヤホンを使う、通路を走り回らないように声がけをするなどの工夫をするだけで、自分たちも周りの人も落ち着いて過ごせる空間になります。


よくある質問Q&A

Q1. 第3ターミナル発のLCCでも、IASS EXECUTIVEラウンジを使えますか?
A. 一般エリアにあるEXECUTIVE 1・2は、ターミナルに関係なく利用できます。第3ターミナル発のLCCでも、第2ターミナル側に一度回ってEXECUTIVE 2を利用し、その後第3ターミナルへ移動するルートは現実的です。ただし、移動時間として片道15〜20分程度は見込んでおきましょう。

Q2. 昔あったTEIラウンジは今もありますか?
A. かつて成田の第2ターミナルなどにあったTEIラウンジは、2020年12月31日をもって営業を終了しています。現在、カードラウンジとして使えるのはIASS EXECUTIVE/Superiorラウンジが中心です。

Q3. EXECUTIVEラウンジの一般料金はいくらですか?
A. IASSの日本語公式サイトでは、大人の同伴料金について「カード会社からの案内を確認してください」と記載されており、金額を固定していません。旅行商品として販売されるラウンジ利用プランでは2,000〜3,000円台で設定されている例が多いですが、空港・販売元・為替によって変わるため、「1回数千円程度」があくまで目安と考えてください。

Q4. ゴールドカードを家に忘れたらどうなりますか?
A. 多くのカードラウンジでは、カード本体の提示が必要です。カードを忘れた場合、カードラウンジ特典としての無料利用はできません。有料利用を受け付けている場合は、現金払いで入室できることもあります。PPについては、スマホアプリ上のデジタル会員証だけで入れるラウンジもあるので、あらかじめアプリを入れておくと安心です。

Q5. 情報が変わっていないか心配です。どこを見ればいいですか?
A. 少なくとも、「成田空港公式サイト」「IASS公式サイト」「自分のカード会社のラウンジ案内」「PP公式サイト/アプリ」の4つを出発前に一度チェックしておけば、主要な変更点はほぼカバーできます。特に、PP付帯カードの利用回数や対象施設の変更はこの数年で何度も行われているので、古いブログ記事だけを頼りにしないことが大切です。


まとめ

成田空港のラウンジとゴールドカード、PPの関係は、一見すると複雑ですが、「どのターミナルを利用するか」「一般エリアか出国後か」「ゴールドカード経由かPP経由か」という3つの軸で整理すると、シンプルに見えてきます。

第1・第2ターミナルには、一般エリアのIASS EXECUTIVEラウンジと、国際線出発エリアのIASS Superiorラウンジ(NOA/KoCoo)があり、ゴールドカードやPP、上位カードを使ってアクセスできます。第3ターミナルにはカードラウンジこそありませんが、PP対応のぼてぢゅう屋台があり、「食事で得をする」形の使い方も可能です。

一方で、PP付帯カードの条件はここ数年で大きく変わりました。楽天プレミアムカードは「PP無制限」から「年5回・ラウンジのみ」に変わり、アメックス発行PPはレストランなど非ラウンジ施設を対象外としました。セゾンプラチナ・ビジネス・アメックスなど、一部カードではまだ国内レストランやホテル特典に対応している例もありますが、「PPさえあれば何でも使える」という時代ではない、という認識が必要です。

ゴールドカードのラウンジ特典は、年に数回成田を利用する人にとって、とても頼りになる存在です。ただし、どのカードがどのラウンジを何回まで無料にするのか、家族カードや同伴者、子どもの扱いがどうなっているのかはカードごとに違います。

最終的には、

  • 年に何回成田を使うのか

  • 誰と一緒に使うことが多いのか

  • ラウンジで何を重視するのか

を一度整理し、そのうえでカード会社とPPの公式情報を眺めてみることです。この記事を土台に、自分の旅のスタイルに合った「成田空港ラウンジ×ゴールドカード×PP」の組み合わせを考えていけば、空港での時間がぐっと快適で、計画的なものになっていくはずです。

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