① 埼玉で家電を考える前に押さえておきたい「埼玉暮らし」の前提
埼玉で新しく部屋を借りるとき、「家電は全部買った方がいいのか、それともレンタルやサブスクを使った方がいいのか」で悩んだことはないでしょうか。東京へ通勤するか、県内で完結するか、単身赴任なのか、家族と長く住むのか──同じ「埼玉暮らし」でも、条件によって正解が変わってきます。
選択肢が増えた今、「月額のサブスクの方が何となくラクそう」「とりあえず全部レンタルにしておけば失敗しないだろう」といった感覚だけで決めてしまうと、数年後に「思ったより高くついた」「引っ越しが面倒になった」と後悔することもあり得ます。
この記事では、埼玉の通勤事情や家賃相場、持ち家率などの背景も踏まえながら、「買う」「レンタル」「サブスク」という3つの方法をどう組み合わせれば、自分の暮らしにとってムダが少なく、かつ身軽でいられるかを整理しました。一人暮らしからファミリー、単身赴任や二拠点生活まで、さまざまなケースを想定しながら解説しているので、自分の状況に近いところから読み進めてみてください。
1-1 東京通勤・県内勤務・単身赴任…埼玉の代表的な暮らし方パターン
埼玉で暮らす人の生活パターンは、大きく分けると「東京都へ通勤・通学する人」「埼玉県内で働く・学ぶ人」「単身赴任や転勤で一定期間だけ住む人」「在宅勤務や二拠点生活をしている人」に分けられます。令和2年国勢調査を基にした埼玉県の分析資料によると、県内に住む人の通勤・通学先は約68.8％が埼玉県内、約27.3％が東京都となっており、およそ3人に1人弱が東京方面へ移動していることが分かります。これは、埼玉が首都圏のベッドタウンとして強い役割を持っていることの裏付けと言えます。
東京へ通う人は、平日の在宅時間がどうしても短くなります。朝は慌ただしく出かけ、帰宅は夜遅く、という生活になりがちです。このタイプにとって重要なのは、「限られた在宅時間で家事をどれだけ縮められるか」という点です。乾燥機能付きの洗濯機や、温め直しがしやすい電子レンジなど、時短に直結する家電の優先度が高くなります。
一方、県内勤務や在宅勤務が中心の人は、1日のうち家で過ごす時間が長くなります。こうした人にとっては、自炊をしやすい冷蔵庫やオーブン、炊飯器などのキッチン家電や、仕事用のデスク・モニター・照明といったワークスペース周りの設備の方が、生活の質に大きく影響してきます。
さらに、1〜3年程度の単身赴任や転勤で埼玉に住む人も少なくありません。この場合、いつ異動の辞令が出るか分からず、「長く住む前提」で家電をそろえるのはリスクになります。冷蔵庫や洗濯機、ベッドのように大きくて重い物をあまり増やしたくない人にとっては、レンタルやサブスクを活用して、身軽さを優先する考え方が有力な選択肢になります。
このように、「どこに通うのか」「どれくらいの期間住むつもりか」は、そのまま家電の選び方に直結します。埼玉で家電をどう持つか考えるときには、まず自分がこのどのタイプに近いか、そして数年後にどうなっていたいかをイメージすることから始めると、判断が格段にしやすくなります。
1-2 南部とその他エリアで変わる部屋の広さと家電のサイズ感
埼玉といっても、川口・戸田・蕨・さいたま市南区などの南部と、川越・所沢・春日部・熊谷・秩父などその他のエリアでは、部屋の広さや家賃相場がかなり違います。たとえば賃貸情報サイト（SUUMOやLIFULL HOME’Sなど）の相場ページを見ていくと、さいたま市のワンルーム〜1K・1DKクラスの家賃は、多くの区で6〜7万円台前後が目立ちます。一方、1LDK以上の広めの部屋や駅近の新しめの物件になると、7〜11万円台といった水準の例も見られます。
川口市についても、各サイトの1K相場を見ると、エリアによって差はあるものの、6.8〜7.7万円程度のレンジに集中しているケースが多く、「7万円前後」というイメージは妥当と言えます。こうした都市部のコンパクト物件では、家電のサイズが生活のしやすさを左右する大きな要素になります。大きすぎる冷蔵庫やドラム式洗濯機を置いてしまうと、通路が狭くなったり、扉の開閉スペースが足りなくなったりして、毎日の動きが窮屈になってしまいます。
一方、川越や所沢、春日部、熊谷などのエリアでは、同じ予算でも部屋が広くなる傾向があり、駐車場付き物件も多いため、車での移動が前提になっている家庭も少なくありません。週末にまとめ買いをするライフスタイルが多くなると、冷蔵庫はやや大きめのものが欲しくなり、洗濯機も家族分の洗濯物をまとめて処理できる容量重視の選び方になっていきます。
このように、南部とその他エリアでは、「どれくらい家電を置けるか」「どのくらいの容量が必要か」がそもそも違います。家電レンタルやサブスクのサービスを利用する際も、全国共通のセット内容をそのまま選んでしまうのではなく、自分の住んでいるエリアの家賃相場や間取り、生活スタイルを踏まえて、「本当にこのサイズでいいか」を一度立ち止まって考えることが大切です。
1-3 1K・ファミリー賃貸・持ち家で違う家電予算と優先順位
家電にかけられる金額は、どうしても家賃とのバランスで決まってきます。たとえば、不動産会社の相場情報（ハウスコムや大手ポータルなど）では、埼玉県全体の平均家賃は全ての間取りを含めて月8.2〜8.3万円程度とされています。これは1LDK〜ファミリー向けも含む平均値なので、1Kやワンルームだけの相場よりは高めになりますが、「埼玉全体の感覚」をつかむうえでは分かりやすい指標です。
1K賃貸で一人暮らしをする場合、「最初の家電予算は家賃の1〜2か月分くらい」という感覚で考える人が多いようです。家賃7万円の部屋なら、冷蔵庫や洗濯機、電子レンジ、照明、カーテンなどを合わせて7〜14万円で収めたい、というイメージです。この範囲で考える場合、「冷蔵庫と洗濯機はレンタルにして初期費用を抑え、電子レンジや電気ケトル、炊飯器などの小型家電は購入する」といった組み合わせが現実的になります。
ファミリー向け賃貸や持ち家になると、引っ越し頻度が下がり、「長期的な視点」で家電を選びやすくなります。冷蔵庫・洗濯機・エアコンのような生活の基盤となる家電は、省エネ性能や静音性も含めてじっくり選び、10年単位で使うことを前提に購入した方が、ランニングコストまで含めたトータルでは得になることが多いです。その一方で、テレビやワークチェア、空気清浄機などは、ライフスタイルや好みの変化に応じて数年ごとに見直しやすいよう、サブスクやレンタルを活用するという考え方もあります。
埼玉県の持ち家率は、令和5年住宅・土地統計調査の県のまとめによると65.1％で、全国平均よりやや高く、都道府県別では中位クラスという位置づけです。長く住む前提の持ち家もあれば、転勤や通勤事情によって数年で住み替える家庭もある、という多様な状況が入り混じっているのが埼玉の特徴です。その意味でも、「家賃」「住む期間」「ライフプラン」に応じて、家電予算と優先順位を柔軟に変えていく必要があります。
1-4 引っ越し頻度から考える「買う／借りる」の分かれ目
埼玉は、東京と地方の中間的な位置づけにあるため、「独身時代は東京寄りの南部でコンパクトに暮らし、結婚や出産を機に郊外の広めの部屋へ」という動き方をする人が少なくありません。2〜3年ごとに住まいを変える可能性がある人にとっては、大型家電をすべて購入してしまうと、引っ越しのたびに運び出しや処分で悩むことになります。
具体的には、エレベーターのない3階以上の物件に住んでいる場合、洗濯機や大きな冷蔵庫を自分で運び出すのはほぼ不可能に近く、引っ越し業者に頼むしかありません。その際にかかる追加料金や、廃棄処理にかかる費用を考えると、「大型家電だけはレンタルにしておき、退去時に回収してもらう」という選択肢は、十分合理的です。
逆に、「この家に10年は住むつもり」「子どもが独立するまで同じ地域に住み続けたい」という人にとっては、大型家電は購入する前提で考えた方が、長期的には得になる場合が多いです。電気代の安い省エネ家電を選べば、毎月の光熱費も抑えられますし、レンタルやサブスクのように「返却」というイベントが発生しない分、暮らしが安定します。
「自分がどれくらいの頻度で引っ越す可能性があるか」「今後5〜10年の間に、どんなライフイベントがありそうか」を一度紙に書き出してみると、「買うか借りるか」の線引きがはっきりしてきます。引っ越しが前提の数年なら大型家電はレンタル寄り、定住前提なら購入寄り、といった大まかな方向性を持っておくと、個別の家電選びがぐっと楽になります。
1-5 最初に決めるべき「利用期間」と「妥協しない家電」
家電を買うか借りるか悩んだときに、いきなりカタログや料金表を眺めてもなかなか答えは出ません。まず決めておきたいのは、「その家電を何年くらい使うつもりなのか」と、「自分にとって絶対に妥協したくない家電はどれなのか」の2点です。
利用期間については、「少なくともあと何年は今の生活スタイルが続きそうか」をざっくり考えれば十分です。1年、2〜3年、5年以上、10年といった区切りを用意し、自分がどこに当てはまりそうかを考えます。そのうえで、「その期間のあいだ、同じ家電を使い続けたいのか」「途中で別の選択肢に変える可能性が高いのか」をイメージしてみます。
次に、「自分にとって絶対に妥協したくない家電」を3つだけ挙げてみます。料理が趣味なら冷蔵庫とオーブンレンジ、コーヒーが好きならコーヒーメーカーや電気ケトル、アレルギー体質なら空気清浄機や乾燥機付き洗濯機が候補に入るかもしれません。ここで挙がった3つについては、少し予算を多めに見積もっても、その分満足度が高くなりやすい部分です。
逆に、それ以外の家電は、「必要になったら考える」「中古や型落ちでも十分」「短期間レンタルで様子を見る」といった柔らかい姿勢で向き合って問題ありません。すべてを同じレベルで“完璧”にしようとすると、予算も手間もいくらあっても足りません。あえて優先順位をつけることで、買うべきところと借りるべきところの線引きが自然に見えてきます。
② 買う・レンタル・サブスクをどう切り分けるかを考える
2-1 家電サブスクの基本と、埼玉で使いやすいケース
家電サブスクは、「月額料金を支払うことで、家電を所有せずに利用できるサービス」です。一定期間利用したあと返却するプランや、利用期間に応じて割安で買い取りができるプラン、途中で別の機種に交換できるプランなど、サービスごとに仕組みは少しずつ異なります。
首都圏にはサブスク型家電サービスの拠点を持つ会社が多く、埼玉県内でも特に南部やさいたま市周辺では、配送や設置に対応したサービスを選びやすい環境があります。オンラインで申し込みから支払いまで完結し、在庫の中からプランに合った家電を組み合わせてくれるタイプも増えています。
サブスクと相性の良い家電は、ドラム式洗濯乾燥機や大型テレビ、高性能オーブンレンジ、ロボット掃除機、高機能な空気清浄機など、「価格が高めで、使ってみないと自分に合うか分かりにくいもの」です。こうした家電は、数年のうちに新しいモデルが次々と登場するため、「10年使い続ける前提で買う」のはハードルが高く感じられるかもしれません。
メリットとしては、初期費用を抑えられることに加え、故障時の対応がシンプルな点が挙げられます。多くのサービスでは、通常使用の範囲での故障であれば、サービス提供側の負担で修理や交換をしてもらえます。購入した場合のように、メーカー保証の期間や購入店ごとの延長保証を自分で管理する必要がないのは、大きな安心材料です。
一方で、同じ家電を5年、10年と長く使う前提であれば、サブスクを続けるより購入した方が総額で安くなるケースが多いのも事実です。「この家電は何年くらい使いそうか」「暮らし方が変わったときに、その家電も見直す可能性があるか」を考えながら、サブスクが合うかどうかを判断すると良いでしょう。
2-2 短期レンタルが力を発揮する場面（仮住まい・リフォーム・お試し）
数週間〜数か月、長くても1年程度だけ家電が必要なときは、サブスクよりも「短期レンタル」の方が向いている場合が多いです。埼玉では、実家のリフォームや建て替えのあいだに近くの賃貸へ仮住まいする家庭や、新築マンションの完成を待つ間だけ別の部屋を借りるケースなど、「期間が限られた住まい」が意外とよく発生します。
こうした仮住まい用に冷蔵庫や洗濯機を新しく購入してしまうと、元の家に戻ったときに同じ家電が2台になってしまったり、置き場や処分に悩んだりすることになります。短期レンタルで冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・照明などを一式用意すれば、仮住まいが終わったタイミングでまとめて回収してもらえるため、余計な物を残さず元の生活に戻ることができます。
また、「ドラム式洗濯乾燥機が本当に自分に合うか試してみたい」「55インチクラスのテレビが部屋に合うか知りたい」といった“お試し利用”にも短期レンタルは向いています。カタログや店頭では分からない、音の大きさや部屋の圧迫感、操作感などを、自宅の環境でじっくり確認できるからです。
短期レンタルは、1か月あたりの料金だけを見ると高く見えることもありますが、「購入費＋処分費＋運び出す手間」を含めてトータルで考えると、利用期間が1年未満の場合には十分検討に値します。特に、「使い終わったあとに家電を持ち続けたくない」「置き場所に余裕がない」という人にとっては、短期レンタルの方が結果的にストレスが少なく済むことが多いでしょう。
2-3 一括購入すべき家電と借りた方が身軽な家電の見分け方
家電は、「買った方が得なもの」と「借りた方が身軽で扱いやすいもの」に分かれます。判断するときの目安として、「10年前後使い続けても性能的に困らないか」「壊れたときに同じタイプをまた選びたいと思えるか」という2つの観点が役に立ちます。
冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・炊飯器・掃除機など、基本的な家電は、一定以上の性能を満たしていれば、10年近く使っても「機能不足で困る」という場面はあまり多くありません。特に、ファミリー世帯や持ち家では、容量や省エネ性能を重視してこれらの家電を購入し、必要に応じて修理しながら長く使う方が、ランニングコストまで含めると有利になるケースがほとんどです。
一方、ドラム式洗濯乾燥機やハイグレードなオーブンレンジ、大画面テレビ、ロボット掃除機、高機能な空気清浄機などは、数年おきに新しい機能やモデルが登場し、好みも変わりやすい家電です。「今の生活に合うか試してみたい」「数年後には別の機種に変えているかもしれない」と感じるなら、まずはレンタルやサブスクで様子を見てから、本当に気に入った機種だけ購入する、という順番を取るのが無難です。
迷ったときには、「壊れたときに全く同じ機種をもう一度買いたいと思うか？」と自分に問いかけてみると、感覚的な答えが出てきます。「同じもので十分」と感じるなら購入寄り、「せっかくだから別の機種を試したい」と思うならレンタル・サブスク寄り、といったように、自分の気持ちの動きに合わせて選び分けると、納得感のある選択になりやすいでしょう。
2-4 中古リユースとレンタル・サブスクを組み合わせるときの注意点
埼玉県内には、中古家電や家具を扱うリサイクルショップが各地にあり、アウトレット品や中古品をうまく活用すれば、冷蔵庫や洗濯機の初期費用をかなり抑えることができます。ただし、中古品とレンタル・サブスクを組み合わせる際には、いくつか意識しておきたい点があります。
まず「保証」と「故障時の対応」です。レンタルやサブスクの家電は、多くの場合、通常使用の範囲内であれば故障時にサービス側が対応してくれますが、中古で購入した家電は、保証期間が数か月〜1年程度と短かったり、保証が付かない場合もあります。中古品を選ぶときは、価格だけではなく、「いつまで保証が付くのか」「故障した場合に修理が可能かどうか」もあわせて確認しておく必要があります。
次に、「電気代」と「静音性」です。年式の古い冷蔵庫やエアコンは、最新の省エネモデルと比べて消費電力が高くなりやすく、月々の電気代で差が出ることもあります。購入時に安く見えても、数年使ううちに電気代の差で元が取れなくなる可能性があります。また、古い洗濯機や冷蔵庫は動作音が大きめなことも多く、ワンルームや1Kでは生活音として気になるかもしれません。
さらに、見た目の印象が大きい家具や家電、たとえばリビングのソファやテレビボード、ワークスペースのデスクやチェアなどは、サブスクで好みのデザインを選び、冷蔵庫や洗濯機などの見えにくい部分は中古で節約する、といった組み合わせも考えられます。どこでお金をかけ、どこで抑えるかというバランスを、自分なりに決めておくと、リユースとレンタル・サブスクのミックスがしやすくなります。
2-5 月々のキャッシュフローで見る家電コストの考え方
家電をどうそろえるか考えるとき、「最終的にいくらかかるか」という視点だけでなく、「毎月いくらまでなら家電関連に回しても生活に支障がないか」という視点も重要です。家賃や光熱費、通信費、交通費などの固定費が重くなりやすい埼玉では、手元に残す現金をどれくらい確保しておきたいかも含めて考える必要があります。
たとえば、冷蔵庫・洗濯機・電子レンジを新品でそろえるのに10万円かかるとします。貯金に余裕がある人なら一括で購入しても問題ありませんが、「急な出費や病気などに備えて、貯金をあまり減らしたくない」と感じる人も多いでしょう。そうした場合、冷蔵庫と洗濯機をレンタルにし、電子レンジや小さな家電だけ購入することで、初期費用を5万円程度まで抑えるという方法もあります。
レンタルやサブスクを利用すれば、手元の現金を一気に減らさずに生活をスタートできるというメリットがあります。反面、毎月の支払いは増えるため、「この家電に対しては最大何年までなら月額を払ってもよいか」という線引きを自分で決めておくことが大切です。
実際に数字を比べるには、家計簿アプリや表計算ソフトを使って、「すべて購入」「大型家電だけレンタル」「高価な家電だけサブスクにする」といったパターンごとに、初期費用と毎月の支出を並べてみると分かりやすくなります。数字の根拠が見えることで、「なんとなくお得そう」という感覚ではなく、「このパターンが自分には一番無理がない」と納得して選べるようになります。
③ ライフイベント別・埼玉での家電のそろえ方のコツ
3-1 大学・専門学校・新社会人、初めての一人暮らしでそろえる家電
大学や専門学校への進学、あるいは新社会人としての就職で、初めて埼玉で一人暮らしを始める人も多いでしょう。このタイミングでは、何をどこまでそろえればよいか分からず、「必要そうなものを全部買ってしまう」パターンになりがちです。しかし、生活リズムがまだ定まっていない段階で家電を一気にそろえると、「ほとんど使わないまま置物になってしまう家電」が出やすくなります。
初めの段階で「ほぼ必須」といえるのは、冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・照明・カーテン・ネット環境です。このうち、冷蔵庫と洗濯機は生活の土台になるため、どの方法でもいいので早めに揃えたいところです。一人暮らしを始めて数年以内に引っ越す可能性が高いなら、冷蔵庫と洗濯機だけレンタルにしておき、他の小さな家電は購入する、という形にすると、初期費用を抑えつつ柔軟性も保てます。
炊飯器やトースター、アイロン、電気ケトルといった家電は、あると便利ですが、生活リズムが固まる前から無理にそろえる必要はありません。コンビニや外食が中心であれば、炊飯器やトースターをほとんど使わないまま数年経ってしまうこともありますし、スーツを着る機会が少なければアイロンの出番もあまりないかもしれません。「数か月暮らしてみて、本当に必要だと思ったら買う」という姿勢の方が、結果的にムダが少なく済みます。
初めての一人暮らしは、数年以内に転職や進路変更で住まいが変わる可能性も大きい時期です。引っ越しのたびに大型家電を運んだり処分したりする負担を考えると、「大物はレンタルで、手元に残しても困らないものだけ購入する」という戦略は、身軽さという点で大きなメリットがあります。
3-2 単身赴任・転勤で1〜3年だけ埼玉に住むときの必要最低限セット
会社の辞令で1〜3年程度埼玉に単身赴任する場合、家電は「その期間を快適に過ごせる最低限」にとどめるのが現実的です。任期が終われば別の地域へ移ることが分かっているので、「帰任するときにどれだけ荷物を増やさずに済むか」が大事なポイントになります。
生活を回すうえで必要なものを挙げると、冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・ベッド（またはマットレス）・テーブル・照明・カーテンが基本セットになります。ここにテレビやパソコン用モニター、デスク・チェアなどを足すかどうかは、仕事や趣味のスタイルによって変わります。
冷蔵庫と洗濯機は、大きくて重く、中古で売るにも手間がかかる家電です。単身赴任が終わって自宅に戻る予定がある場合、自宅に同じ家電がすでにあるなら、2台目を持ち帰っても置き場所に困るだけかもしれません。そのため、任期付きで埼玉に住む場合は、冷蔵庫と洗濯機をレンタルにして、帰任時に回収してもらう形にしておくと、帰り支度が非常に楽になります。
在宅勤務が多い単身赴任の場合は、デスクとチェアの質が仕事の効率に直結します。これらはサブスクで人間工学に配慮したモデルを選び、「赴任期間中だけ集中して使う」という発想もあります。気に入った場合は、任期終了後に買い取り、今度は自宅で使うといった柔軟な対応も可能です。
3-3 結婚・子育てで広めの部屋に移るときの一時レンタル活用術
結婚や出産を機に、1Kから2LDK・3LDKといった広めの部屋に引っ越すと、「どうせなら家電も家具も新しくしよう」と考えたくなります。しかし、このタイミングで全てを新品購入してしまうと、あまり使わない家電にまでお金をかけてしまうリスクが高まります。
たとえば、今まで使っていた冷蔵庫を新居に持ち込み、「容量が足りない」と感じた分だけサブの小型冷凍庫をレンタルする方法があります。子どもが小さいうちは冷凍食品や作り置きが増えますが、成長して食事のスタイルが変われば、サブ冷凍庫の必要性も変わってきます。レンタルであれば、必要な数年間だけ追加し、不要になったタイミングで返却することができます。
ベビーベッドやベビーチェア、ベビーモニターなどの育児関連のアイテムも、使用期間が限られている典型例です。新生児〜1歳前後の短い期間しか使わないものも多く、購入すると、使い終わったあとに収納場所を取ったり、処分に困ったりすることがあります。レンタルで必要な時期だけ用意し、役目が終わったら返却する方が、スペースもお金も有効に使えます。
共働き家庭であれば、乾燥機付き洗濯機や食洗機、ロボット掃除機などの時短家電を「まずはサブスクで試す」というアプローチも有効です。数か月〜1年ほど使ってみて、生活がどのくらい楽になるかを実感したうえで、「手放したくない」と感じたものだけ購入を検討すれば、高価な家電の“外れ買い”を減らせます。
3-4 実家のリフォーム・二世帯化のタイミングで役立つ家電の一時調達
埼玉は持ち家率が比較的高く、実家をリフォームしたり、二世帯住宅へ建て替えたりする家庭も少なくありません。このようなタイミングでは、工事期間中に別の住まいで暮らす必要があり、数週間〜数か月の「仮住まい」が発生することがあります。
仮住まい用に冷蔵庫や洗濯機、電子レンジなどをすべて新しく購入してしまうと、工事が終わって元の家に戻るときに、それらの家電をどうするかという問題に直面します。すでに元の家に冷蔵庫や洗濯機があるなら、新たに買った家電は余ってしまいますし、置き場所がなければ処分費用もかかります。
このようなときは、仮住まい用の家電を一時レンタルで賄うのが合理的です。冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・照明・簡易的なテーブルやベッドなどをセットでレンタルすれば、工事が終わって元の家に戻るタイミングで回収してもらえます。元の住まいに余計な家電を増やさずに済むため、工事後の生活にスムーズに戻ることができます。
二世帯化の場合も、「どこまで共有し、どこから別々に持つか」は、実際に住んでみないと見えてこないことが多いです。最初の1年だけは、親世帯と子世帯で冷蔵庫やテレビ、電子レンジを分けて用意し、生活リズムや使い方を確かめたうえで、「ここは共有しても問題ない」と判断した箇所から徐々に統合していくという方法もあります。この「試行期間」に必要な家電をレンタルで用意しておけば、不要になったときに手放しやすく、生活をスムーズに調整していけます。
3-5 テレワーク用サブ拠点・二拠点生活で使いやすいコンパクト家電
在宅勤務やリモートワークが増えるなかで、自宅とは別に小さなワークスペースを借りたり、平日は埼玉・週末は他の地域で過ごしたりといった二拠点生活をする人も増えています。このような生活スタイルでは、それぞれの拠点にどれくらいの家電をそろえるかが重要になります。
たとえば、さいたま市内でワンルームを仕事用スペースとして借りる場合、最低限必要なのはノートパソコンを置けるデスクと椅子、照明、小型の冷蔵庫、電気ケトルやコーヒーメーカー程度です。料理をほとんどしないなら、電子レンジも必須ではなく、コンビニや飲食店を活用する形でも十分かもしれません。
こうした「仕事に必要な最低限の家電」は、サブスクでまとめて用意すると相性がよいです。初期費用が抑えられるうえ、「プロジェクトが終わってサブ拠点が不要になったら解約する」「別の場所に拠点を移すときは契約ごと移転する」といった柔軟な動きが取りやすくなります。
二拠点生活を考えている人の場合、最初から家電を買いそろえてしまうと、その生活スタイルが合わなかったときに大きな負担になってしまいます。まずはサブスクや短期レンタルでコンパクトな家電一式をそろえ、「このペースで本当に続けられそうか」を試してみるところから始めると、失敗のリスクを抑えた挑戦が可能になります。
④ 埼玉で家電レンタル・サブスクサービスを選ぶチェックポイント
4-1 埼玉全域か南部中心かを確認するエリアチェック
家電レンタルやサブスクのサービスは、「全国対応」と書かれていることが多いものの、実際には大型家電の配送エリアに制限があることも珍しくありません。「関東のみ」「一部地域を除く」といった注記があり、埼玉県内でも都市部は対象だが山間部は対象外、といったケースもあります。
申し込み前に必ずチェックしたいのは、自分の住んでいる住所が「配送と回収の対象エリアに入っているかどうか」です。多くのサービスでは、郵便番号や市区町村名を入力して配送可否を確認できるフォームが用意されています。また、「冷蔵庫や洗濯機など大型家電も含めて対象か」「小型家電のみ対象か」といった条件も併せて確認しておきましょう。
また、同じエリアでも、道路が狭かったり坂道が多かったりする地域では、トラックが建物の近くまで入れないことがあります。その場合、「建物の前から部屋まで階段で手運びが必要」「共用廊下が狭くて大きな家電が通らない」などの理由で、追加料金や搬入不可となることもあり得ます。
マンションやアパートによっては、引っ越しや大型家電の搬入が許可されている時間帯が管理規約で決められていることもあります。平日昼間にしか搬入できない物件もあるため、不動産会社や管理会社からルールを確認し、サービス側の配送可能時間帯と一致しているかどうかを事前に確認することが重要です。
4-2 冷蔵庫・洗濯機・エアコンの設置と回収で損をしないために
大型家電のレンタルやサブスクを利用する際には、月々の利用料金だけでなく、「設置費用」と「回収費用」も含めて比較する必要があります。ここを見落とすと、トータルの支出が思った以上に膨らんでしまうことがあります。
冷蔵庫や洗濯機の場合、「標準設置」が月額料金に含まれているサービスもあれば、別途設置費が必要なサービスもあります。さらに、エレベーターがない建物の2階以上や、廊下や階段が狭い物件では、「階段搬入費」や「特殊搬入費」といった名目で追加料金がかかることがあります。間取り図や玄関の幅、階段の様子などを写真で送ることで、事前に見積もりや搬入可否を確認してくれるサービスもあります。
エアコンについては、「標準工事」の範囲が特に重要です。一般的な標準工事は、室内機と室外機が同じ階で、配管の長さが一定以内、室外機がベランダ置き、といった条件を前提にしていることが多いです。室外機を屋上に置く必要があったり、配管を長く引き回したり、専用コンセントの増設が必要だったりすると、追加工事費が発生する可能性が高くなります。
解約時の回収費用も、サービスごとに扱いが異なります。「回収費込みの月額料金」になっている場合もあれば、解約時に家電1台ごとに回収費がかかる場合もあります。総額で比較するには、「設置費＋月額料金×利用月数＋回収費」の合計を必ず見ておくことが大切です。
4-3 故障・汚れ・引っ越し時のルールを事前に確認する重要性
レンタルやサブスクで借りている家電は、あくまでサービス提供会社から「一定のルールのもとで借りている物」です。故障や汚れ、引っ越しの際の扱いは、契約書や利用規約に具体的に記載されています。ここをよく読まずに利用を始めると、返却時や引っ越し時に思わぬトラブルになることがあります。
多くのサービスでは、通常の使い方をしていて自然に発生した故障や経年劣化については、利用者に追加費用を求めずに修理・交換をしてくれます。一方で、落下や水没などの事故による破損や、明らかに乱暴な扱いによる故障については、有償対応となることが一般的です。ペットを飼っている場合、ペットの毛や爪による傷がどこまで「通常使用」に含まれるかもサービスによって異なるため、事前に確認が必要です。
また、引っ越しに際して借りている家電を新居へ移動したい場合、「移設サービス」があるかどうかも重要です。埼玉県内の移動であれば対応してくれるサービスもあれば、基本的には一度回収して新規契約が必要、というサービスもあります。移設の可否や費用、対応可能なエリアなどを事前に把握しておくことで、引っ越し時の計画を立てやすくなります。
契約前には、「壊れたとき」「汚してしまったとき」「引っ越すことになったとき」の3つの場面を頭の中でシミュレーションし、それぞれについて規約に何が書かれているかを確認しておくと安心です。
4-4 配送日と時間帯の自由度が引っ越しストレスに与える影響
引っ越し当日は、荷物の搬入や片付け、各種手続きでただでさえ慌ただしくなります。そこに家電の配送や設置が重なると、「何時にどの業者が来るか」「誰がどの時間帯に家で待機するか」を調整しなければならず、スケジュール管理だけでも一苦労です。
家電レンタルやサブスクのサービスによっては、「平日のみ配送」「土日は追加料金」「午前・午後のどちらかしか選べない」といった制限がある場合があります。一方で、平日夜や土日祝の配送に対応しているサービスもあり、仕事の都合に合わせやすいところを選べば、引っ越し当日の負担を軽くできます。
特に3〜4月は、埼玉でも入学・就職・転勤などが重なり、引っ越しの件数が多くなる時期です。この時期は、家電そのものの在庫以上に、配送や設置の予約枠が埋まりやすくなります。物件が決まったら、できるだけ早めに家電の配送日も押さえ、引っ越し業者やインターネット工事と重なりすぎないようスケジュールを組むことが大切です。
料金だけでサービスを比較すると、「安いけれど希望する日時に来てもらえない」ということもあり得ます。自分や家族の予定と照らし合わせながら、「どの程度まで配送日や時間帯を選べるか」という点も含めて、総合的に比較していくと良いでしょう。
4-5 埼玉で利用しやすいサービスのタイプ別特徴
埼玉で使いやすい家電レンタル・サブスクサービスは、性格の異なるいくつかのタイプに分かれます。ここでは具体的なサービス名は挙げず、タイプごとの特徴を整理します。
1つ目は「全国展開型」です。オンラインでの申し込みが中心で、冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・テレビなど、基本的な家電セットがプランとして用意されているタイプです。関東に倉庫や配送拠点を持っていることも多く、埼玉県内の主要な市町村であれば問題なく利用できることがほとんどです。料金体系がシンプルで、単身者向け・ファミリー向けなど、用途別セットを選びやすいのが特徴です。
2つ目は「首都圏中心型」です。東京・神奈川・千葉・埼玉といった首都圏エリアをカバーし、首都圏の住まい方を前提としたプラン設計になっているサービスです。駅近の1K向けのミニマムセットや、郊外のファミリー向け大型家電セットなど、「間取り別」「家族構成別」のプランが豊富です。
3つ目は「地域密着型」です。埼玉県内またはその周辺エリアで長く営業している業者が多く、電話や店頭で相談しながら決めたい人に向いています。設置場所の細かな相談や、特殊な搬入、リフォーム・建て替え中の仮住まいへの一時設置など、地域の事情に合わせて柔軟な対応をしてくれることもあります。
どのタイプが自分に合うかは、「オンラインだけでさっと決めたいか」「細かい相談をしながら決めたいか」「アフターサポートをどれくらい重視するか」によって変わってきます。候補となるサービスを各タイプから一つずつピックアップし、料金、対応エリア、サポート内容を比較してみると、自分にとってバランスの良い選択肢が見えてきます。
⑤ 費用シミュレーションで考える「借りたほうが得な人・買ったほうが得な人」
5-1 さいたま市・川口市1Kで3年間暮らす場合の概算イメージ
最後に、具体的なイメージを持ちやすくするため、さいたま市や川口市の1K物件に3年間暮らす一人暮らしを想定し、冷蔵庫・洗濯機・電子レンジを「購入した場合」と「レンタルした場合」でざっくり比較してみます。ここで示す金額は、家電量販店やレンタルサービスの一般的な価格帯を参考にした仮の例であり、実際の料金はサービスや機種、時期によって大きく変わるため、契約時には必ず各社の公式サイトや見積もりで最新情報を確認してください。
【想定条件（例）】
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冷蔵庫（単身者向け120〜150Lクラス）
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新品購入：50,000円
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レンタル：1,800円／月
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洗濯機（4〜5kgクラス）
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新品購入：40,000円
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レンタル：1,700円／月
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電子レンジ（単機能）
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新品購入：10,000円
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レンタル：800円／月
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-
利用期間：3年（36か月）
この条件で単純計算すると、
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購入の場合：初期費用 合計100,000円（3年間使う前提。処分費は別途）
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レンタルの場合：月額合計 4,300円 × 36か月 ＝ 154,800円
となり、3年間同じ家電を使い続ける前提であれば、トータルでは購入の方が安く済むことが分かります。
ただし、2年で引っ越す可能性が高かったり、退去時に家電の処分費がかかる場合、話は変わってきます。購入した家電を廃棄するには、自治体や回収業者への支払いが必要ですし、引っ越し先に家電付き物件を選ぶ場合は、せっかくの家電が余ってしまいます。
「3年以上はこのエリアに住むつもりで、その間も同じ家電を使い続けたい」という人は購入寄り、「2年前後で住み替える可能性が高く、次の住まいで家電を引き継ぐかどうか分からない」という人はレンタル寄り、と考えて、自分がどちらのケースに近いかを見極めていくと良いでしょう。
5-2 川越・所沢エリアのファミリーが5年間暮らす場合の考え方
次に、川越や所沢などのエリアで3LDK程度の賃貸に家族で住むケースを想定し、5年間暮らす場合の家電の持ち方を考えてみます。ファミリー向けの広い部屋では、大型の冷蔵庫や大容量洗濯機、複数台のエアコンなどが必要になり、それぞれの単価も高くなります。
例として、以下のような家電構成を仮に設定します。
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大型冷蔵庫（400Lクラス）：150,000円（10年使用想定）
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大容量洗濯機：120,000円（8年使用想定）
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エアコン3台：合計250,000円（10年使用想定）
これらを購入し、想定した耐用年数の中間地点である5年目まで使うとすると、「その時点での価値」をどう見るかは考え方次第ですが、単純に耐用年数で割って考えれば、5年間で元本の半分程度を使い切るイメージになります。一方、これと同等のグレードの家電を、すべてサブスクでそろえた場合、月額が2〜3万円台に達することもあり、5年総額では購入より高くなる可能性が高いと言えます。
つまり、ファミリー向けの大型家電を5年以上使う前提であれば、サブスクにし続けるよりも、購入した方が基本的には有利です。その代わりに、ライフステージによって必要度が変わるベビーベッドやサブ冷凍庫、花粉シーズン限定で使う空気清浄機などは、レンタルやサブスクで期間を区切って利用する方が合理的です。
ファミリー世帯は、「生活の土台になる家電」と「状況に応じて増減させる家電」をしっかり分け、「土台は購入」「増減させる部分はレンタルやサブスク」という形で組み合わせていくと、家計と暮らしの両方を安定させやすくなります。
5-3 半年〜1年の短期滞在でのレンタルと購入の差
半年〜1年だけ埼玉に住む短期滞在では、先ほどと同じ家電セットでも、「購入」と「レンタル」の有利・不利が逆転してきます。先ほどの例と同じ価格設定で、利用期間だけを「1年（12か月）」に変えて計算してみます。
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冷蔵庫：購入 50,000円／レンタル 1,800円 × 12か月 ＝ 21,600円
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洗濯機：購入 40,000円／レンタル 1,700円 × 12か月 ＝ 20,400円
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電子レンジ：購入 10,000円／レンタル 800円 × 12か月 ＝ 9,600円
1年間だけ使う前提で比較すると、
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購入：合計100,000円＋処分や売却にかかる手間と費用
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レンタル：合計51,600円
となり、単純な支払い総額でもレンタルの方が安くなります。持ち帰って使い続ける予定がない家電であれば、レンタル一択と考えてしまってもよいくらいです。
もちろん、購入した家電をフリマアプリやリサイクルショップで売れば、一定の金額は回収できますが、必ずしも予想どおりの価格で売れるとは限りませんし、「売るための準備」や「買い手とのやり取り」にも時間と手間がかかります。半年〜1年という比較的短い期間であれば、「購入して売る」よりも「最初からレンタルにする」方が、トータルで見て負担が少なくなる可能性が高いと言えます。
短期滞在ほど、「安く買えるかどうか」よりも、「使い終わったあとに楽に片付けられるかどうか」を重視したほうが満足度が上がりやすくなります。
5-4 レンタル＋サブスク＋購入を組み合わせる具体的な構成例
現実の生活では、「全部購入」か「全部レンタル」かの二択になることはほとんどありません。多くの人が自然に選んでいるのは、「購入」「レンタル」「サブスク」を組み合わせたハイブリッドな構成です。ここでは、さいたま市で1K暮らしをする社会人を例に、具体的な組み合わせパターンを考えてみます。
【購入向きの家電（長く使う、価格が比較的手頃）】
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電子レンジ（単機能）
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電気ケトル
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炊飯器（自炊をする人の場合）
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ドライヤー
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掃除機（スティックタイプなど小型なもの）
【サブスク向きの家電（性能重視、好みが変わりやすい）】
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ドラム式洗濯乾燥機
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高性能な空気清浄機
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在宅勤務用のデスク・チェア
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大画面テレビ（映画やゲーム用）
【レンタル向きの家電（期間限定・試し使い）】
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小型冷凍庫（まとめ買いが多い時期だけ）
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来客用布団セット（年に数回の来客用）
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ベッドフレーム（まずは寝心地を試したい人向け）
この構成のポイントは、「毎日の生活に欠かせない基本家電」は購入して安定させ、それ以外の部分で「生活の質を上げたい」「使ってみないと分からない」と感じる家電をサブスクやレンタルに回していることです。
こうしたハイブリッド構成は、一度決めてしまえば終わりではなく、自分の生活スタイルが変わるごとに少しずつ見直していけばよいものです。転職や結婚、在宅勤務の増減など、大きな変化があったタイミングで、「何を手元に残し、何を返すか」「どの家電を格上げするか」といった調整をしていくことで、常に自分に合った家電構成を保ちやすくなります。
5-5 将来の動き方から逆算するためのセルフチェックリスト
最後に、埼玉で家電のレンタルやサブスクを検討するときに使えるセルフチェックリストをまとめます。紙やノート、スマホのメモなどに書き出しながら、一つずつ埋めてみてください。
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今の住まいに、最低あと何年くらい住むつもりかを書き出したか（例：少なくともあと2年など）
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次に引っ越すとしたら、「東京寄りの南部」「郊外」「実家の近く」など、どのエリアを候補にしているかイメージできているか
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自分にとって絶対に妥協したくない家電を3つ挙げたか（例：冷蔵庫・洗濯機・ワークチェアなど）
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その3つについて、「購入」「レンタル」「サブスク」のどれを選ぶか、理由を含めて決めたか
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毎月、家電関連の支払いに回せる上限額を決めたか（例：月1万円までなど）
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利用期間中に引っ越す可能性があるか、そのとき家電をどうする想定か（持っていく／返却する／一部買い取りなど）を書いてみたか
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候補としているサービスの利用規約やQ&Aを読んで、「故障」「汚れ」「解約時」「引っ越し時」のルールを一通り確認したか
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引っ越し予定日から逆算して、家電の配送日や回収日をいつにするか大まかなスケジュールを作ってみたか
これらの項目を整理しておけば、家電レンタルやサブスクのサービスを比較するときに、「自分の条件に合っているかどうか」をブレずに判断しやすくなります。家電の持ち方は、単なるモノ選びではなく、自分の暮らし方やお金との付き合い方を見直す良いきっかけにもなります。
まとめ
埼玉で家電をどうそろえるか考えるとき、大事なのは「エリアの特徴」「住む期間」「ライフイベント」の3つをセットで考えることです。南部の駅近1Kで東京通勤をする人と、郊外の広めの部屋で家族と暮らす人では、必要な家電の種類もサイズも、買うべきか借りるべきかのバランスも大きく変わります。
家電サブスクは、高価な家電を初期費用を抑えて導入したいときや、ライフスタイルの変化が予想される数年間に「試しながら使いたい」ときに向いています。短期レンタルは、仮住まい・単身赴任・リフォーム期間など、一定期間だけ家電が必要な場面で力を発揮します。一方で、冷蔵庫・洗濯機・エアコンなどの大型家電を同じ家や地域で長く使い続ける前提なら、購入してじっくり付き合っていく方が、長い目で見ればお得になることが多いです。
重要なのは、「全部買う」「全部借りる」といった極端な選び方ではなく、購入・レンタル・サブスクを組み合わせるハイブリッドな考え方です。自分にとって譲れない家電にはしっかり投資し、期間が限られているものや試してみたいものはレンタルやサブスクで柔軟に。将来の引っ越しやライフイベントをざっくりとでもイメージしながら、家電一つひとつの持ち方を選んでいけば、埼玉での暮らしをムダなく、かつ身軽に楽しむことができるはずです。
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