一人暮らしの洗濯機は「買うな」が正解？購入・レンタル・サブスク徹底比較ガイド

① 一人暮らしで「洗濯機は買ってはいけない」と言える理由

一人暮らしを始めるとき、冷蔵庫と並んで悩みやすいのが「洗濯機をどうするか」です。家電量販店に行くと、2万円台前半のシンプルな縦型から、10万円を超える最新ドラム式まで、さまざまな機種が並んでいます。なんとなく「一人暮らしだし、安いのを一台買っておけばいいか」と考えがちですが、その判断が数年後の引っ越しや故障のタイミングで、大きな負担や後悔につながることも少なくありません。

一方で、最近は洗濯機を買わずに月額で借りられるレンタルやサブスク、長期のリースといった選択肢も増えてきました。こうしたサービスを知ってから改めて考えてみると、「本当に今、洗濯機を“買う”必要があるのか？」という疑問も出てきます。

この記事では、「買ってはいけない洗濯機」という少し挑戦的なテーマを入り口に、一人暮らしにとってのレンタル・サブスク・リースのメリットと注意点、そして自分に合った選び方の考え方を、最新の相場感も交えながらできるだけ分かりやすく整理していきます。

なぜ一人暮らしほど洗濯機を“所有”すると損をしやすいのか

一人暮らしで洗濯機を買うとき、多くの人は本体価格だけを見て「このくらいなら大丈夫」と判断しがちです。たとえば、一人暮らし向けの4.5kg前後の全自動洗濯機を例にすると、国内メーカーの安価モデルならおおよそ2万2,000〜3万5,000円前後が相場です。売れ筋には4万〜5万円台のモデルも多く、機種によって価格レンジはかなり広くなっています。これはあくまで2025年前後の目安ですが、ここに配送・設置費、場合によっては古い洗濯機のリサイクル料・収集運搬費などが上乗せされます。

さらに数年後、引っ越しや買い替えのタイミングが来れば、今度は搬出・処分費がかかります。つまり、「買う」という行為は購入時点で完結するものではなく、「運ぶ・置く・直す・捨てる」というライフサイクル全体のコストとリスクを、自分ひとりで背負うことを意味します。一人暮らしの場合、洗濯回数は週2〜3回程度の人が多く、家族世帯に比べると使用頻度が低めです。出番の少ない家電に対して、長期にわたって大きな負担を抱え込んでしまいやすい、というのが「所有」の弱点です。

今どきは「買う」よりレンタル・サブスク・リースが増えている背景

ここ数年、日本では家具・家電のレンタルやサブスクサービスが一気に増えました。洗濯機単体だけでなく、冷蔵庫や電子レンジとのセットで月額2,000〜3,000円台というプランもあり、最初に10万円近く支払って一式そろえるより、「必要な分だけ月額で払う」という選び方が現実的になっています。

洗濯機のレンタル・サブスク料金の目安としては、4〜6kgクラスの縦型で月1,000〜4,000円台、ドラム式や高機能モデルで月3,000〜1万2,000円前後というレンジがよく見られます。ただし、サービスによっては月1,000円未満の超安価プランから、1万円を超えるハイエンドプランまで大きな幅があるのが実情です。家電セットで割安になるコースも多数あり、「買うか・買わないか」だけでなく、「どこから借りるか」まで含めて比較する時代になってきました。

3年以内に引っ越す人が購入で失敗しがちなパターン

一人暮らしのリアルな声を集めると、「ここに3年くらいは住みそうだと思って洗濯機を買ったのに、1〜2年で引っ越すことになった」というケースが少なくありません。実際、転職・転勤・同棲・結婚・Uターン・Iターンなど、20〜30代はライフイベントが多く、住まいが変わる可能性が高い時期です。

引っ越しのたびに洗濯機を運ぶと、その分トラックのスペースを取るため料金が上がります。エレベーターのない物件では階段上げ・下げの追加料金がかかることもあります。さらに、新居の防水パンが小さくて今の洗濯機が入らない、水栓の位置が合わないなどのトラブルが起こると、「まだ使えるのに買い替え＋処分費」という二重の出費になりかねません。

レンタルやサブスクであれば、引っ越し前に一度返却して、新居の条件に合わせたプランに切り替えるだけで済みます。運搬・回収・再設置もサービス会社が担当してくれることが多く、引っ越しのたびに「この洗濯機をどうするか」で悩まずに済みます。

「とりあえず安いのでいい」が危険なワケ

家電量販店やネット通販で、最安クラスの洗濯機を見ると「一人暮らしだし、とりあえずこれでいいか」と思いがちです。しかし、安さだけで選ぶと、後からじわじわ不満がたまるポイントがいくつもあります。

たとえば、脱水が弱くて洗濯物がなかなか乾かない、運転音が大きくて夜や早朝に回しづらい、やさしく洗いたい服用のコースがなくてお気に入りの服を傷めてしまう、といったケースはよくあります。こうした“小さなストレス”は毎週発生するので、積み重なるとかなり大きな不満になります。

さらに、極端に安いノーブランド品は、部品の耐久性やサポート体制に不安があることも多く、1〜2年で故障して結局買い替えになれば、トータルコストはむしろ高くなります。レンタルやサブスクでは、国内大手メーカー品や一定の品質を満たした機種を中心に扱うサービスが多く、初期費用を抑えながらも「安物買いのリスク」を減らしやすいというメリットがあります。

最初からレンタル・サブスク前提で考えると選び方がどう変わるか

「洗濯機は買うもの」という前提をいったん外して、「借りるならどう選ぶか？」と考えてみると、注目するポイントが変わります。本体価格よりも、月々いくらなら負担にならないか、初期費用はどこまで抑えたいか、故障したときのリスクをどこまでサービス側に預けたいか、といった視点が重要になってきます。

ここで整理しておきたいのが、「レンタル」「サブスク」「リース」という言葉の違いです。

どの方式も「所有せずに使える」点は同じですが、期間や料金の考え方が少しずつ違います。ライフスタイルの変化が激しい人ほど、短期〜中期向きのレンタルやサブスクが使いやすく、住まいがほぼ固定している人なら、長期リースや購入も選択肢に入ってきます。最初から「買う前提」ではなく、「借りる前提」からスタートしてみると、自分に合ったバランスが見つけやすくなります。

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② こんな一人暮らしは「購入NG」レンタル・サブスク向きタイプ

転勤・引っ越しが多い人が洗濯機を買ってはいけない理由

仕事柄転勤が多い人や、数年ごとに住む地域が変わりそうな人は、洗濯機を所有するとコストも手間も大きくなりがちです。引っ越しのたびに洗濯機を運ぶと、他の荷物より重くてかさばるため、引っ越し料金がかさみやすくなります。エレベーターのないアパートや古いマンションでは、階段での上げ下ろしに追加料金がかかることもあります。

さらに、地域ごとに部屋のつくりは違います。防水パンのサイズや水栓の高さ、排水口の位置が変わることで、「今の洗濯機が新居に入らない」という事態も現実に起こります。その場合、運搬費を払ったうえで買い替えと処分まで必要になり、二重三重の出費になります。

レンタルやサブスクであれば、引っ越しの前に返却し、新しい部屋で改めて契約するだけで済みます。運搬や設置はサービス側が担当してくれるケースが多く、少なくとも「自分で洗濯機をどうするか」を一から考える必要はありません。

初めての一人暮らしで様子見したい人にレンタル・サブスクが合う理由

大学進学や就職で初めて一人暮らしをする場合、自分がどれくらい洗濯をする生活になるのか、まだ想像しづらいものです。忙しくて週1回しか洗濯しない人もいれば、部活動やアルバイトの関係でほぼ毎日洗う人もいます。

生活リズムが見えない段階で洗濯機を買ってしまうと、「容量が足りない」「逆に大きすぎてムダ」「夜しか回せないのに静音性が足りない」など、実際の生活とのミスマッチが起こりやすくなります。レンタルやサブスクなら、最初の1〜2年は小さめ・安めの機種を使い、生活パターンが固まってきた段階で容量や機能をステップアップさせることができます。

また、初期費用ほぼ0円〜数千円というプランも多く、敷金・礼金や家具、パソコン・スマホなど、他にお金が必要なタイミングでも導入しやすいのがメリットです。「とりあえず試してから、自分に合うスペックを知る」という意味で、初めての一人暮らしとサブスクの相性はとても良いと言えます。

ドラム式に憧れているけど予算がきびしい人の賢い選択

「本当はドラム式洗濯乾燥機がほしい。でも値札を見たら10万円以上で、とても手が出ない……」という人は少なくありません。ドラム式は便利な一方で、本体価格が高く、電気代やメンテナンスも気になります。買ったあとに「思ったほど使いこなせなかった」「乾燥に時間がかかる」と感じても、簡単に買い替えはできません。

そこで検討したいのが、ドラム式のレンタル・サブスクです。サービスにもよりますが、人気メーカーのドラム式を月3,000〜8,000円前後で利用できるプランもあり、高級機では1万円前後のプランも選べます。これなら、一度に10万円を用意しなくても、数年かけて「自分にとってドラム式は本当に必要か」をじっくり判断できます。

一定期間使ってみて、「乾燥まで一気にできるメリットが自分には大きい」と分かれば、そのまま同じシリーズを新品で購入したり、利用中の機種を買い取れるサービスを選ぶ方法もあります。逆に、「雨の日以外はあまり乾燥を使わない」「電気代が気になる」と感じたら、次の契約更新時に縦型＋コインランドリーの組み合わせに戻すこともできます。

ワンルーム・省スペース物件ほどレンタル・サブスクが向いているケース

ワンルームや1Kなどのコンパクトな部屋では、洗濯機置き場も小さく、設置条件が厳しいことが多いです。防水パンの奥行きや幅、水栓の高さ、排水口の位置など、少しの違いで設置のしやすさが変わります。ネットで安い洗濯機を購入して自分で設置しようとしたところ、「防水パンからはみ出してしまう」「水栓が邪魔でふたが全開にならない」といったトラブルもよくあります。

レンタルやサブスクの多くは、プロのスタッフによる設置サービスを用意しています。現場でホースの長さを調整したり、蛇口アダプターを取り付けたりしてくれるので、自分で試行錯誤する必要がありません。多くのサービスでは配送・設置・回収が料金に含まれていますが、なかには有料オプション扱いだったり、地域によって追加料金がかかるケースもあり、あくまで「サービスによっては」という前提で考える必要があります（※一部有料や条件付きの場合あり）。

もしどうしても設置できない場合は、その場でキャンセルや機種変更の相談ができるサービスもあり、「買ってしまってからサイズが合わないことに気づく」という最悪のパターンを避けやすくなります。

コインランドリー＋洗濯機レンタル（サブスク）という組み合わせの考え方

一人暮らしの洗濯スタイルとして増えているのが、「普段の服は自宅で洗い、毛布やカーテンなどの大物はコインランドリーでまとめて洗う」という組み合わせです。大物まで家の洗濯機で洗おうとすると7〜10kgクラスの大容量機が必要になり、本体価格もランニングコストも重くなります。

そこで、日常の洗濯に必要な4.5〜6kgクラスの洗濯機をレンタルやサブスクで利用し、月に1〜2回だけ大型コインランドリーで大物を一気に片づける、というバランス型のスタイルが現実的な選択肢になっています。コインランドリーの大型乾燥機はパワーがあり、毛布やシーツも短時間でふわっと仕上がります。

このスタイルなら、洗濯機側は比較的コンパクトで済むので、狭い部屋でも導入しやすく、レンタル料も抑えやすくなります。自宅とコインランドリーの「いいとこ取り」をしながら、全体のコストと手間をうまくコントロールできるのがポイントです。

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③ 「買ってはいけない洗濯機」の具体例とレンタル・サブスクなら避けられる失敗

一人暮らしにはオーバースペックな高級モデルを買うリスク

最新の高級ドラム式洗濯乾燥機は、AIおまかせ洗浄や自動投入、大容量乾燥など魅力的な機能がたくさん付いています。家電量販店で実物を見ると「せっかく買うならこれくらい良いものを」と思えてきますが、一人暮らしの場合はオーバースペックになりがちです。

洗濯物の量が少ないのに10kg以上の大型モデルを選ぶと、毎回、槽の半分も埋まらない状態で回すことになり、水や電気の使い方としては効率的とは言えません。設置スペースも広く必要で、狭い洗面所や脱衣所では圧迫感も出ます。さらに、高級機ほど故障時の修理代が高く、基板交換などが必要になると数万円単位の出費になることもあります。

レンタルやサブスクであれば、こうしたハイスペック機を「お試し利用」できるのが強みです。数ヶ月〜数年使ってみて、「自分の生活ではここまでの機能はいらなかった」と気づいたら、次の契約更新で一段シンプルなモデルに落とすことができます。逆に「このレベルの乾燥機能は手放せない」と感じたら、同じシリーズの購入を検討する、というステップを踏めます。

安すぎるノーブランド品で後悔するよくあるパターン

ネット通販やディスカウントショップには、聞いたことのないブランドの格安洗濯機が並んでいます。価格だけ見ると、国内有名メーカーの半額以下ということもあり、つい手を伸ばしたくなります。しかし、極端に安い家電には、それなりの理由がある場合も少なくありません。

たとえば、脱水の力が弱くて衣類がいつまでも湿っている、モーター音や振動が大きくて夜に回せない、プラスチック部品の耐久性が低くて数年で割れてしまう、といったトラブルが口コミで報告されています。修理窓口が海外だったり、サポートの連絡先が分かりづらいこともあり、いざ故障したときに頼れる先が見つからないこともあります。

その点、多くのレンタル・サブスクサービスは、パナソニック、日立、東芝、シャープなど国内外の大手メーカー品を中心に扱っています。もちろんサービスによって品ぞろえは異なりますが、少なくとも「どこのメーカーかよく分からない製品」を自分で選んで背負い込む必要はありません。「ブランド品は高いから中古か格安ノーブランドで…」と考える前に、サブスクで大手メーカー品を使う選択肢もぜひ比較に入れておきたいところです。

ドラム式購入でよくある「乾かない・壊れやすい」の落とし穴

ドラム式洗濯乾燥機は、洗濯から乾燥まで一気にできる便利さが魅力ですが、すべての家庭で理想通りに動いてくれるとは限りません。設置スペースが狭くて本体の周りに空間が取れないと、排気や湿気の抜けが悪くなり、乾燥に時間がかかったり、仕上がりが生乾きになったりします。

また、ドラム式はフィルター掃除やドラムの手入れが欠かせません。忙しくて手入れをさぼりがちだと、少しずつ乾燥効率が落ち、「全然乾かない」「時間ばかりかかる」と感じやすくなります。構造が複雑なぶん故障リスクもあり、修理代が高額になりがちです。

レンタルやサブスクなら、こうした「使ってみないと分からない部分」を試したうえで、縦型に戻すかドラム式を続けるかを決めることができます。乾燥の仕上がりや音の大きさ、電気代の感覚など、自分の生活の中で体感してから判断できるのは大きなメリットです。

設置ミス・サイズミスで余計な出費が増えるケース

洗濯機のトラブルで意外と多いのが、購入後の設置やサイズに関するミスです。防水パンの内寸は測っていても、ホースの出っ張りやコンセント位置の影響を見落としていたり、ふたの開閉スペースを考慮できていなかったりして、実際に届いてから「想定と違った」となることがあります。

そうなると、再配達や再設置の費用が発生したり、別の機種に買い替えて古い方を処分したりする必要が出てきます。安く買えたつもりが、結果として高くつくことも珍しくありません。

レンタルやサブスクでは、プロの設置スタッフが現場で状況を確認しながら作業してくれるサービスが多く、ホースの長さや蛇口アダプターの有無などもその場で調整してくれます。これも多くのサービスで設置込みになっていますが、設置費が別料金だったり、特定地域のみ対象といった条件付きの場合もあるため、「サービスによっては有料・対象外のケースもある」という前提を忘れないようにしたいところです。

設置が難しい場合は、その場でキャンセルや別機種への変更を提案してくれることもあり、「買ってしまった後にどうにもならない」というリスクを大きく減らせます。

レンタル・サブスク・リースなら合わなければ交換しやすいメリット

一度購入した洗濯機が「なんだか使いづらい」「思っていたのと違う」と分かっても、すぐに買い替えるのは勇気がいります。中古で売ろうとしても、送料や手数料を差し引くとほとんどお金が戻らず、「もったいないから壊れるまで使おう」とあきらめてしまう人が多いのが現実です。

レンタルやサブスク、リースの大きなメリットは、契約期間の区切りごとに見直しがしやすいことです。最低利用期間や解約金はありますが、その範囲内で容量やメーカー、縦型・ドラム式などを変更できるサービスもあります。リース契約は3〜5年など長期になることが多いものの、満了時に別モデルへの切り替えや買い取りを選べるプランもあります。

自分の生活スタイルや収入の変化に合わせて、洗濯機側を柔軟に変えていけるという点で、「所有するより身軽な選択肢」として考える価値は十分にあります。

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④ 一人暮らしの洗濯機「購入 vs レンタル vs サブスク vs リース」損得ガチ比較

本体代・設置費・処分費まで含めたトータルコストの違い

ここでは、一人暮らし向けの4.5〜6kgクラスの縦型洗濯機を例に、ざっくりとしたコスト感を整理してみます。金額はすべてあくまで目安の相場です。

購入は「最初と最後にまとまったお金が必要になる代わりに、月々は0円」という山型のコスト構造です。一方、レンタル・サブスク・リースは「まとまった出費を避け、その代わり毎月一定額を払う」というならし型の構造です。

どちらが得かは、住む期間や引っ越しの可能性、初期費用にどこまで割けるかによって変わります。「5年以上同じ部屋で暮らす」「同じ洗濯機を長く使い続けたい」という前提があるなら購入が有利になりやすく、「1〜3年で引っ越すかもしれない」「まだ生活が落ち着かない」という状況なら、レンタルやサブスクの方がリスクを抑えやすいと言えます。

電気代・水道代・故障リスクまで考えたリアルな差

洗濯機のトータルコストを考えるとき、見落としがちなのが電気代と水道代です。最新モデルほど省エネ・節水性能が高い傾向があり、古い中古機と比べるとランニングコストに差が出ることがあります。とはいえ、一人暮らしの場合は洗濯回数が多くないので、年間で数千円程度の違いに収まることも多く、ここは「少しお得になるかもしれない」程度のイメージで考えると良いでしょう。

それより大きく差が出るのが、故障リスクへの向き合い方です。購入した場合、メーカー保証が1年間、延長保証を付けても5年間ほどで切れることが多く、それ以降の故障は全額自己負担になります。基板やモーター交換が必要になると、1〜3万円以上かかることも珍しくありません。

レンタル・サブスク・リースでは、多くのサービスが「通常使用での自然故障であれば無料修理・交換」としています。もちろん、水漏れや落下など利用者側の過失がある場合は有償となることも多く、すべてが無料というわけではありません。それでも、「突然の故障で数万円払うリスク」をサービス側にある程度預けられるという点で、安心感が大きい選択肢と言えます。

レンタル・サブスク・リースの料金相場と「元が取れるライン」

では、「何年使うなら購入がお得で、何年以内ならレンタルやサブスクが有利なのか」というざっくりしたラインを考えてみます。ここでは、本体価格3万円の洗濯機を例にしてみましょう（これもあくまで一つの目安です）。

3万円の洗濯機を5年間使うとすると、単純計算で1年あたり6,000円、月あたり500円です。設置費や処分費を合わせると、1年あたり7,000〜8,000円、月換算で600〜700円程度になります。

レンタル・サブスクの方はというと、4〜6kgクラスの縦型で月1,000〜4,000円台、ドラム式や高機能モデルで月3,000〜1万2,000円前後というのがよくあるレンジです。さらに、サービスによっては月1,000円未満のプランや、逆に1万円を超えるプレミアムプランもあります。

この数字だけを比較すると、同じ部屋で5年以上同じ洗濯機を使い続けるのであれば、購入の方がトータルコストで有利になりやすいことが分かります。一方で、1〜3年程度の短期利用や、途中で引っ越し・同棲など大きな変化がありそうな場合は、「壊れたらどうするか」「サイズが合わなくなったらどうするか」といったリスク込みでレンタル・サブスクを検討した方が、後悔しづらい選択になります。

中古購入とレンタル／サブスクを比べたときの意外なポイント

「とにかく初期費用を抑えたい」という人は、中古の洗濯機を検討することが多いと思います。中古なら1万円台で買える機種もあり、見た目もきれいなものが多いので、一見するととてもお得に見えます。

ただし、中古家電は前の持ち主の使い方や保管環境によって状態が大きく変わります。内部の部品がどれだけ劣化しているかは外からでは分かりにくく、購入から1〜2年で突然故障する可能性もゼロではありません。保証が数ヶ月だけ、あるいは保証なしという販売方法も多く、運に左右される部分が大きいのが難点です。

一方、家電レンタルやサブスクでは、「整備済み中古」を扱うサービスもあり、動作確認やクリーニングを行ったうえで提供しているところが多いです。レンタル中の故障については、サービス側が修理・交換を行う仕組みになっている場合が多く、「中古価格に近い月額で保証込みで使える」という見方もできます。

ここで重要なのは、利用期間です。短期〜中期（1〜3年程度）で考えるなら、保証付きで使えるレンタル・サブスクの方が安心度は高くなりますが、4〜5年以上の長期利用が前提なら、状態の良い中古を安く購入して大事に使った方がトータルコストが安くなるケースも十分にあります。つまり、「中古 vs レンタル／サブスク」の優劣は一概には決められず、「期間」「故障リスク」「初期費用の余裕」の3つをセットで考えることが大事です。

「期間だけで決めない」失敗しない選び方の考え方

よくある判断基準として、「1〜2年ならレンタル、3年以上なら購入」といった単純な線引きがあります。目安としては分かりやすいのですが、実際にはそれだけで決めてしまうと、後から「違ったかも」と感じることがあります。

本当に大事なのは、「期間」に加えて次のような要素を一緒に考えることです。

• 近い将来、転職・転勤・同棲・結婚など大きなイベントが起こりそうか

• 今の収入や貯金で、突然の修理代や買い替え費用を出しても家計が苦しくならないか

• 洗濯機にどれくらいの快適さを求めるか（乾燥機能・静音性・時短など）

• 「一度決めたら長く使いたいタイプ」か「いろいろ試してから自分に合うものを決めたいタイプ」か

同じ「3年」でも、転勤が多い人と定住している人では、最適な選択が変わります。金額だけではなく、自分の性格やライフプランも含めて考えることで、「買って後悔」「借りて後悔」のどちらも避けやすくなります。

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⑤ 一人暮らしで失敗しない洗濯機レンタル・サブスク・リース活用術

自分の生活パターンから最適なサービス形態を選ぶステップ

洗濯機選びで最初にやっておきたいのは、「自分の洗濯パターン」をざっくり言葉にしてみることです。週に何回くらい洗濯するか、仕事や学校の都合で洗濯できる時間帯はいつか、基本は部屋干しなのかベランダ干しなのか、乾燥機能はどれくらい使いそうか……。これを紙やメモアプリに書き出してみるだけで、「容量」「静音性」「コースの種類」など、自分にとって重要なポイントが見えやすくなります。

次に、「今の部屋にどれくらい住むつもりか」「近い将来引っ越す可能性はあるか」を考えます。1〜2年以内に引っ越しや同棲の可能性が高いなら、レンタルやサブスク中心に考えた方が無難です。逆に、5年以上は同じ地域で暮らすつもりで、住み替えの予定も少ないなら、リースや購入も含めて検討してよさそうです。

最後に、毎月の家計の中で「洗濯機関連にいくらまでならストレスなく払えるか」という上限を決めます。その上限の中で、購入・レンタル・サブスク・リースのプランを横並びで比較していくと、自分に合ったバランスが見えてきやすくなります。

サービス会社選びでチェックすべきポイント

レンタルやサブスク、リースのサービス会社はたくさんありますが、月額料金の安さだけで決めてしまうのは危険です。チェックしておきたいポイントを、少し細かく整理しておきます。

1つめは、送料・設置費・回収費がどう扱われているかです。「全国送料無料・設置無料」とうたうサービスもあれば、一定金額以上の利用で送料無料になるところ、エリアによって追加料金がかかるところもあります。

2つめは、故障時の対応。多くのサービスは「通常使用での自然故障なら無料修理・交換」としていますが、ユーザーの過失による故障は有償だったり、交換ではなく修理対応のみだったりと、細かな違いがあります。

3つめは、最低利用期間と途中解約のルールです。1年未満で解約すると残りの月額を一括で請求されるケースもあれば、解約手数料だけで済むケースもあります。

4つめは、取り扱いメーカーや機種のラインナップ。国内大手メーカーから選べるサービスもあれば、「容量と縦型／ドラム式だけ指定して、機種はおまかせ」というスタイルのサービスもあります。

5つめは、設置・回収の日時指定のしやすさです。平日は仕事で立ち会えない人にとって、土日や夜間の対応があるかどうかは重要なポイントになります。

こうした点をチェックするときも、「多くのサービスではこうだが、例外もある（※一部有料や条件付きの場合あり）」という意識を持って比較するのが安心です。

契約期間・解約料・故障対応で確認しておくこと

サブスクやレンタルの公式サイトを見ると、どうしても「月◯◯円」という数字に目が行きがちですが、トラブルを避けるためには契約条件の細かい部分にもしっかり目を通しておく必要があります。

特に確認しておきたいのは、最低契約期間と途中解約の扱いです。たとえば「最低1年」と書かれている場合、11ヶ月目で解約すると残り1ヶ月分だけで済むのか、それとも残り数ヶ月分をまとめて請求されるのかはサービスによって差があります。

故障対応についても、「自然故障はすべて無料」「自然故障でも修理は無料だが交換は有料」など、ルールの違いがあります。水漏れや落下などを起こしそうで不安な人は、過失による故障をどこまでカバーしてくれるかもチェックしておくと安心です。

また、引っ越し時の対応も重要です。同じサービスエリア内であれば再設置に対応してくれるところもありますが、エリア外への引っ越しでは返却が必要になることもあります。このあたりを事前に把握しておくと、「思っていたのと違った」というトラブルをかなり減らせます。

「いずれ買う」前提でレンタル・サブスク・リースを使うテクニック

将来的には自分の洗濯機を買って長く使いたいと考えている人にとっても、レンタルやサブスク、リースは「試乗期間」としてかなり使えます。たとえば、気になっているメーカーや容量のモデルを1〜2年サブスクで使ってみて、洗い上がりや音の大きさ、乾燥機能の使い勝手などを自分の生活の中で確認します。

そのうえで、「このメーカーのこのシリーズなら長く付き合えそうだ」と感じれば、同じシリーズの新モデルを購入したり、サービスによっては利用中の機種を買い取ることもできます。リース契約でも、満了時に残価を支払って自分のものにできるプランがあるので、「まずはリースで使ってみて、相性が良ければそのまま買い取る」というステップも選べます。

このように、「いきなり10万円を払って大きな買い物をする」のではなく、「少しずつ月額で払いつつ、自分に合うかどうかを見極める」という考え方をとることで、後悔の少ない買い物がしやすくなります。

後悔しないためのチェックリストまとめ

最後に、「買う」「レンタル」「サブスク」「リース」を決める前に、自分に問いかけておきたいポイントをチェックリストにしておきます。

1. 今の部屋に、少なくとも何年くらい住むつもりか（1年未満／1〜3年／3年以上など）

2. 1〜3年以内に転職・転勤・同棲・結婚などの大きな変化が起こりそうか

3. 週に何回くらい洗濯する予定か。夜や早朝に回す可能性はあるか

4. 初期費用として、一括でいくらまでなら出しても家計に無理がないか

5. もし突然故障して修理に2〜3万円かかっても、心理的・金銭的に耐えられそうか

6. ドラム式や乾燥機能への憧れは「絶対必要」なのか、「あったらうれしい」レベルなのか

7. 「一度決めたら長く使いたいタイプ」か、「実際に試しながらベストを探したいタイプ」か

これらに答えていくと、自分がどの選択肢に向いているのかが自然と見えてきます。特に一人暮らしの最初の数年は生活が変わりやすい時期なので、できるだけ身軽に動ける選択をしておくと、あとからの変化にも対応しやすくなります。

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まとめ

一人暮らしで洗濯機を選ぶとき、「とりあえず安いのを買っておけばいい」と考えてしまうと、本体価格以外のコストやリスクを見落としがちです。購入した洗濯機には、設置や引っ越し、故障、処分といったライフサイクル全体でお金と手間がかかります。特に、1〜3年のあいだに引っ越しやライフイベントの可能性が高い人にとっては、「所有すること」自体が大きな負担になりかねません。

一方で、レンタルやサブスク、リースを上手に活用すれば、初期費用を抑えつつ、その時々の暮らしに合った洗濯機を選び直しながら使うことができます。料金や条件には幅があるものの、多くのサービスで設置や故障対応を任せられるため、「急な故障で大きな出費」「引っ越しのたびに悩む」といったストレスを減らせます。

「買ってはいけない洗濯機」とは、値段やメーカーだけの話ではなく、あなたの生活パターンや今後の予定と合っていない洗濯機のことです。まずは、自分の洗濯スタイル、住む期間、家計の余裕を整理し、そのうえで購入・レンタル・サブスク・リースを比較してみてください。そうすれば、「買わなきゃよかった」「借りなきゃよかった」と後悔する可能性を、ぐっと小さくすることができるはずです。