第1章:オフィスチェアをレンタル・サブスクするってどういうこと?基礎から整理

在宅勤務やハイブリッドワークが当たり前になった今、「そろそろちゃんとしたオフィスチェアが欲しい」と感じている人は多いと思います。でも、いきなり高い椅子を買うべきなのか、それともレンタルやサブスクで様子を見た方がいいのか、なかなか判断がつきませんよね。調べてみると、月額制のサービスやレンタル会社がたくさん出てきて、価格や期間、解約条件もバラバラで、見れば見るほど迷ってしまいがちです。
この記事では、「購入」「レンタル」「サブスク」という3つの選び方の違いを整理し、それぞれのメリット・デメリット、費用の考え方、自分に合ったサービスを見つけるためのステップまで、順番にまとめました。数字の例はあくまで目安ですが、考え方の軸さえつかめれば、自分のケースに置きかえて判断しやすくなるはずです。読み終わるころには、「自分はこのパターンでいこう」「まずはここから試してみよう」と、次の一歩がはっきり見えてくるように構成しています。
1-1. 「レンタル」と「サブスク」と「購入」の違いをやさしく解説
オフィスチェアを手に入れる方法は、大きく「購入」「レンタル」「サブスク」の3つに分けられます。まず「購入」は、一度お金を払って自分のものにする、一番シンプルな方法です。高機能チェアの場合、価格帯はおおよそ3万円前後から、海外ブランドなどでは20万円を超える製品までかなり幅がありますが、ここでは例として5万円の椅子をイメージしてもらうと分かりやすいでしょう。
一度買ってしまえば、その後の支払いは基本的にありません。長く使えば使うほど、1日あたりのコストは下がっていく考え方です。
「レンタル」は、決められた期間だけ椅子を借りるしくみです。イベントや撮影、短期のプロジェクトオフィス、一時的な在宅勤務など、「使う期間がハッキリ決まっている」シーンと相性が良い方法です。期間が終わったら返却するのが前提なので、「今だけ必要」というときに強い選択肢になります。
「サブスク」は、音楽や動画と同じように月額制で椅子を使い続けるサービスです。月額数百円〜数千円程度から利用できるケースがあり、オフィスチェアだけでなくデスクなども含めて契約できるサービスもあります。
契約を継続している限り使え、サービスによっては途中で椅子を交換したり、グレードを上げたりできるのが特徴です。
ざっくりまとめると、「購入=長く愛用するマイチェア」「レンタル=期間限定の一時利用」「サブスク=更新しながら使い続ける月額制」というイメージで覚えておくと、違いがぐっと分かりやすくなります。
1-2. 月額サービスの仕組み:料金・期間・解約の基本ルール
レンタルやサブスクは、どちらも「月額で支払う」点では似ていますが、細かい仕組みには違いがあります。多くの家具レンタル・サブスクでは、「最低利用期間」が設定されていて、1か月、3か月、6か月、1年などから選ぶのが一般的です。
一方で、短期利用に特化し、2週間〜1か月から借りられるサービスもあり、どこを選ぶかで柔軟さは変わります。
ここで注意したいのが、「月額料金だけを見ない」ということです。配送料、返却送料、設置料、階段上げ費用などが別途かかる場合もあり、トータルで見ると想像より高くなることもあります。また、最低利用期間より早く返却すると、残り期間分の料金や解約金が必要になるケースもあるため、契約前に「いつまで使う予定か」をよく考えておきたいところです。
サブスクの中には、「一定期間支払ったあとに割引価格で買い取れる」プランもあります。「いきなり購入は不安だけど、気に入ったらそのまま自分のものにしたい」という人には、こうした仕組みが合うことも多いです。料金・期間・解約条件・送料・故障時の対応内容をセットで確認し、「このサービスを3か月(または1年)使ったら、合計いくらになりそうか」をざっくり計算しておくと安心です。
1-3. こんな人はレンタル向き?こんな人はサブスク向き?タイプ別診断
レンタルとサブスク、どちらが自分向きなのか分かりにくい人も多いと思います。そこで、ざっくりタイプ別に整理してみます。
まずレンタルが向いているのは、「利用期間が比較的ハッキリしている人」です。たとえば、「半年間だけ在宅勤務になる」「1年間だけ仮オフィスを借りる」といったケースでは、最初から期間を決めてレンタル契約した方が、買うよりリスクが小さくなります。また、イベント会場や撮影スタジオなど、「数日〜数週間だけ多数の椅子が必要」という場合もレンタルの得意分野です。
一方、サブスクが向いているのは「いつまで使うか分からない人」「まずは試したい人」です。在宅勤務が何年続くか読めない会社員や、事業の規模が変わりやすいフリーランス・スタートアップなどは、状況に合わせて台数やグレードを変えられる方が安心ですよね。サブスクは交換プランが用意されていることも多く、「1台目は標準的な椅子で様子を見る→仕事環境が固まったらハイグレードチェアに変える」といった使い方がしやすいのが特徴です。
目安として、「利用期間が最初から決まっているならレンタル」「いつまで使うか分からないならサブスク」と考えると、自分に合った方向性が見えやすくなります。
1-4. オフィスチェアを借りるメリット:初期費用ゼロだけじゃない魅力
レンタルやサブスクの分かりやすいメリットは、「初期費用を抑えられる」ことです。高機能なオフィスチェアは、前述のとおり数万円〜数十万円することもあり、まとめて購入しようとするとかなりの出費になります。
その点、月額数千円程度に分散できるレンタル・サブスクは、財布への負担をグッと軽くしてくれます。
ただし魅力はそれだけではありません。大きいのは「失敗しにくい」ことです。椅子は写真やスペックだけでは座り心地が分かりにくく、「買って数日で腰がつらくなった…」という失敗も少なくありません。レンタルやサブスクなら、実際に自宅やオフィスの環境で試せるので、自分の体格や仕事スタイルに合っているかを確かめながら判断できます。
さらに、「不要になったら返せる」という点も、引っ越しやレイアウト変更が多い人にとって大きな安心材料です。処分の手間や費用を考えずに済むため、「今は必要だけど、数年後はどうなるか分からない」という状況でも導入しやすくなります。サブスクの場合は、故障時に交換・修理のサポートが含まれているサービスも多く、「メンテナンスまで自分で面倒を見たくない」という人にとってもメリットが大きいと言えます。
1-5. 知っておきたいデメリットと注意点:「思っていたのと違う」を防ぐコツ
一方で、レンタルやサブスクにも注意点があります。代表的なのは「長く使うほど購入より高くなりやすい」という点です。たとえば、月5,000円で借り続けた場合、3年間では18万円になります(5,000円×36か月)。
一方、5万円の椅子を買って3年使えば、1年あたり約1万7,000円、1か月あたりでは1,500円弱のイメージです。もちろん、実際の価格やサービス内容によって結果は変わりますが、「数年以上同じ椅子を使うなら、購入が有利になりやすい」という方向性は覚えておいて損はありません。
また、最低利用期間や解約条件をよく読まずに申し込むと、「思ったより早く不要になったのに、残り期間分の料金も払うことになった」というケースも起こりがちです。中古品や再生品を扱うサービスでは、細かなキズや使用感が気になる人もいるかもしれません。
こうしたギャップを防ぐコツは、「料金表の一番目立つ数字だけで決めない」ことです。月額料金に加え、初回の配送料、返却時の送料、設置料、解約金、故障時の負担などをメモに書き出し、「この条件で1年使った場合の合計」をざっくり試算してみましょう。さらに、「どのメーカー・モデルが届くのか」「状態ランクはどの程度か」「交換ルールはどうなっているか」といった点も事前に確認しておくと、「こんなはずじゃなかった」という失敗をかなり減らせます。
第2章:オフィスチェア「レンタルサービス」の特徴と上手な選び方
2-1. 日額・月額・年額?レンタル料金体系の違いと見落としがちなコスト
オフィスチェアのレンタル料金には、「日額」「月額」「期間パック」などさまざまな形があります。短期イベントや撮影現場などでは、数日単位・日額課金のプランが用意されていることが多く、「1週間だけ大量の椅子が必要」といったニーズに対応できます。長めの利用を想定したサービスでは、1か月・3か月・6か月・1年など、期間を選んで借りる形式がよく見られ、一般的には期間が長いほど月額単価が下がっていきます。
年単位のレンタルは、法人向けオフィスで採用されることも多く、「3年パック」「5年パック」のように、まとめて契約する代わりに1脚あたりの料金をぐっと下げられることがあります。ただし、こうした長期契約は途中解約の条件が厳しめな傾向があるため、「社員数が大きく変わる可能性があるか」「オフィス移転の予定がないか」といった点も、同時に考える必要があります。
そして見落としがちなのが、やはり付帯費用です。配送料、返却送料、階段上げや離島料金などは、表の端や利用規約にこっそり書かれていることもあります。料金を比較するときは、「月額+往復送料+その他手数料」でトータルを出してから比べるクセをつけると、より公平な判断ができるようになります。
2-2. 短期レンタルと長期レンタル、どっちがお得?期間の考え方
短期と長期、どちらのレンタルプランを選ぶべきかは、「料金」と「予定の読みやすさ」の両方で考えるのがコツです。たとえば、「確実に3か月は在宅勤務が続く」と決まっている場合、最初から3か月プランにした方が、1か月プランを3回更新するより月額が安く設定されていることが多いです。一方、「ひょっとしたら1か月で終わるかもしれない」というあいまいな状況なら、あえて短期プランにしておき、様子を見ながら延長した方が安心な場合もあります。
また、サービスによっては「3か月から借りられるが、18か月以上にすると月額が半分近くになる」といった、長期ほど割安になる料金設計を採用しているところもあります。
法人や長期プロジェクトの場合は、「最低でも何年は続きそうか」「途中で椅子の台数が大きく増減しそうか」といった視点で考え、過剰に長い期間を契約しないことも大切です。
おすすめなのは、「確実に使う期間」と「延びるかもしれない期間」を分けて考える方法です。自分のメモに、「最低○か月」「最大○か月」と2段階で書いてみて、その「最低」の方を基準にプランを選ぶと、無理のない契約になりやすくなります。
2-3. 新品レンタルと中古レンタルの違いと選び方のポイント
レンタルでは、新品のみ扱うサービスと、中古(リユース)品も扱うサービスの両方があります。新品レンタルの魅力は、やはり「キズや汚れがほとんどないこと」と「クッションや機能がベストな状態で届くこと」です。その分、月額料金はやや高めになりがちですが、来客用の会議室や受付、デザインにこだわりたい社長室などでは、清潔感や見た目を重視して新品を選ぶ価値があります。
中古レンタルは、以前の利用者が使った椅子をクリーニング・メンテナンスして提供するスタイルが一般的で、料金を大きく抑えられるのが最大のメリットです。しっかり整備している会社であれば、多少の使用感はあっても、機能面には問題ないものが多く、「費用重視」「まずは試したい」という人に向いています。実際、家具サブスクの中には、返却された家具を修繕して次のユーザーに届けるサイクルを組み、環境配慮とコスト削減を両立しているサービスも出てきています。
選ぶときの目安としては、「見た目の新しさをどこまで求めるか」「誰がどんな場面で使うか」を基準に考えると判断しやすくなります。自分の在宅デスク用なら中古で十分という人も多いですし、逆に客先が出入りするエリアなら新品を選ぶ、といった線引きも分かりやすいでしょう。状態ランク(A・B・Cなど)の表示や実物写真が用意されているサービスの方が、イメージとのギャップを減らせます。
2-4. レンタル会社を選ぶときにチェックしたい5つの項目
レンタル会社選びで、つい「月額が一番安いところ」を選んでしまいがちですが、それだけで決めてしまうと後悔につながることがあります。そこで、最低限確認しておきたいポイントを5つに整理します。
1つ目は料金体系です。月額料金に加え、配送料・返却送料・設置費用・オプション料金・解約金の有無をセットで確認しましょう。2つ目はラインナップ。メーカーやモデルの種類、腰を支えるランバーサポート付きやヘッドレスト付きのモデルがあるかどうかなど、「体に合いそうな椅子がそもそもあるか」をチェックします。
3つ目はサポート体制です。故障や不具合があったときに、交換までの目安日数や、修理・交換が有料か無料かを見ておきましょう。有名な家具レンタルサービスの中には、レンタル期間中の修理・交換を無料としているところもあり、長く使う場合の安心感が違ってきます。
4つ目は口コミやレビュー。対応スピードや実際の使用感など、公式サイトだけでは分からない情報が得られます。最後の5つ目は、契約・返却の手間です。WEB申し込みで完結するのか、書類のやり取りが必要なのか。返却時に自分で梱包が必要なのか、解体しておく必要があるのか。こうした事務的な手間も、忙しい時期には大きな負担になります。この5項目をメモに一覧化し、候補のサービスごとに埋めていくと、自分にとって本当に使いやすい会社が見えてきます。
2-5. 実例で学ぶレンタル失敗パターンと、その回避テクニック
レンタルでよく聞く失敗の1つが、「とにかく安いプランを選んだ結果、座り心地が合わなかった」というパターンです。特に長時間座る人にとって、クッションの硬さや背もたれの形、腰のサポートはとても重要です。安くても、座面の高さ調整や背もたれのリクライニング機能がほとんどないチェアだと、数時間で腰や肩がつらくなることもあります。これを避けるには、「最低限ほしい機能」をあらかじめ書き出しておき、それを満たす椅子の中から予算に合うものを選ぶのがおすすめです。
別の失敗例として、「返却の手間をまったくイメージしていなかった」というケースもあります。大型のオフィスチェアは、分解・梱包が必要な場合もあり、忙しい時期と返却期限が重なると大変です。返却方法(集荷か自分で発送か)、必要な梱包材の有無、エレベーターのない建物に住んでいる場合の対応などを、契約前に確認しておくと安心です。
さらに、「なんとなく借り続けていたら、結果的に購入より高くついていた」という後悔もよくあります。これを防ぐには、「この月額なら、○年使ったら購入金額を超える」というラインを自分で決めておき、その期間が近づいたら一度「買うか、サービスを見直すか」を考えることです。短期〜中期にはとても便利なレンタルですが、少し先の未来までイメージしながら使うのが、上手な付き合い方と言えます。
第3章:オフィスチェア「サブスクサービス」の特徴と上手な付き合い方
3-1. サブスクならではの特徴:「交換しやすさ」と「試しやすさ」を活かすコツ
サブスク型サービスの大きな特徴は、「交換しやすさ」と「試しやすさ」です。一定期間使ってみて「やっぱり座面が硬すぎる」「ヘッドレスト付きにしたい」と感じたとき、別の椅子に交換できるプランを用意しているサービスが多くあります。たとえば、家具・家電サブスクの中には、3か月以上使えば返却・交換手数料が無料になる、といったルールのサービスもあり、実質的に「試しながら最適な椅子を探す」ことができます。
この特徴をうまく活かすコツは、「最初から完璧を狙いすぎない」ことです。最初はスタンダードクラスの椅子を選び、在宅勤務時間が増えてきたらハイグレードクラスにステップアップする、という使い方でもかまいません。自分の働き方や体調は、時間とともに変わります。サブスクは、その変化にあわせて椅子も柔軟に変えられる仕組みだと考えると、気持ちがラクになります。
また、季節や部屋の環境に合わせてチェアを変えるという使い方もできます。夏場は通気性の高いメッシュチェア、冬場は座面のクッション性や包み込まれる感じを重視したチェア、というように、「今の自分」に合わせて選べるのが月額制の強みです。
3-2. グレード別の月額料金イメージと、自分に合うランクの決め方
サブスクサービスでは、椅子のグレードによって月額料金が分かれていることが一般的です。エントリークラスはシンプルなオフィスチェアが中心で、月額が安く設定されている反面、調整機能は最低限ということもあります。スタンダードクラスでは、座面高さやリクライニング、アームレスト調整、ランバーサポートなどが充実してきて、長時間のデスクワークにも対応しやすくなります。ハイグレードクラスでは、人間工学に基づいた多機能チェアが中心となり、価格も上がりますが、快適さや姿勢サポートのレベルも格段に上がります。
自分に合うランクを決めるときは、まず「1日に何時間座るか」を基準に考えてみましょう。1〜2時間程度であれば、エントリークラスでも問題ないことが多いです。5時間以上座る日が続くなら、スタンダード以上を検討したいところです。フルタイムの在宅勤務や、腰痛持ちの人は、多少月額が高めでもハイグレードクラスを検討する価値があります。高級チェアの代表例であるハーマンミラー「アーロンチェア」は、通常価格が20万円台半ばというケースもあり、「体への投資」として世界中の企業で選ばれ続けているモデルです。
迷ったときは、「最初はスタンダード→必要ならハイグレードに変更」という流れにしておき、実際の使い心地を確かめてからステップアップするのがおすすめです。
3-3. 個人利用と法人利用で変わるポイント:在宅とオフィスの違い
サブスクサービスは、個人利用と法人利用で重視するポイントが少し変わります。個人の場合、まず大切なのは「座り心地」と「月額負担のバランス」です。家のスペースに収まるサイズかどうか、床がフローリングならチェアマットが必要かどうか、キャスターの音が気にならないか、といった点も重要になってきます。在宅ワークでは、オンライン会議で椅子の背もたれが画面に映ることも多いので、色やデザインを「自分のイメージに合うか」で選ぶ人も増えています。
法人利用になると、視点が少し変わります。台数の多さ、管理のしやすさ、レイアウト変更や増員・減員への対応しやすさなどが大きなテーマになります。たとえば、CLAS BUSINESSのように、オフィスチェアやデスクをまとめて月額で導入でき、不要になったら返却・交換ができるサービスを使えば、社員数や部署構成の変化に合わせて柔軟に椅子の台数を調整しやすくなります。
法人では、故障時の対応スピードも特に重要です。椅子が壊れてしまうと、その席の人は仕事がしにくくなってしまうため、「いつまでに交換してもらえるか」「予備の椅子を用意できるか」など、運用面の想像も大切です。個人と法人、それぞれの事情に合わせてチェックポイントを変えることで、サブスクをより上手に活用できます。
3-4. 在宅ワーク向けにサブスクを選ぶときのチェックポイント
在宅ワークでサブスクを利用する場合は、オフィスとは違う視点で椅子を選ぶ必要があります。まず大事なのは「サイズ」です。カタログに記載されている幅・奥行き・高さを確認し、自宅のデスク下や通路に干渉しないかをイメージしておきましょう。実際には、キャスターで椅子を少し引いて座ることが多いので、「椅子+自分の足がどこまで下がるか」も考えると安心です。
次に「床との相性」。フローリングの上でキャスターを使うと、傷がついたり、音が気になったりすることがあります。チェアマットを敷くか、床に優しいキャスターに交換できるかどうかを、事前に確認しておくと後悔しにくくなります。マンション住まいの人は、下の階への音も気になるポイントです。
さらに、在宅では家族と共有で使うケースも多いです。身長差がある家族で使うなら、座面の高さ調整幅が広いモデルや、背もたれ・アームレストの位置を細かく変えられる椅子の方がみんなが快適に使えます。オンライン会議が多い人は、背もたれのデザインや色が画面に出ても違和感がないかもチェックしておきましょう。部屋の雰囲気と椅子の色が合うと、仕事スペースが少し心地よく感じられます。
3-5. デスクや周辺アイテムも一緒にサブスクするメリット・デメリット
最近は、オフィスチェアだけでなく、デスク、収納、モニターアーム、デスクライトなどをまとめてサブスクできるサービスも増えています。たとえば、オフィスチェア+デスク+収納をセットにした月額プランや、電動昇降デスクとチェアを組み合わせたプランなどがあります。
セットでサブスクするメリットは、まず「一気に仕事環境が整う」ことです。1つ1つを自分で選ぶ手間が減り、「とりあえず今日から仕事ができる」状態を短時間で作れます。デスクと椅子の高さバランスなども、ある程度配慮された組み合わせになっていることが多く、初めて在宅ワーク環境を作る人にはありがたい仕組みです。また、同じブランド・シリーズでそろえやすいため、部屋全体の見た目もスッキリしやすくなります。
一方で、デメリットもあります。セットプランは便利な反面、「椅子は気に入ったけれど、デスクはもう少し広い方が良かった」など、どれか1つだけがしっくり来ないときに柔軟に変えにくいことがあります。また、セットにすることで月額がある程度まとまった金額になるので、「椅子だけなら予算内だけど、フルセットだとオーバー」というケースも出てきます。
おすすめは、「最初は最小限のセットで始める」ことです。椅子+デスクだけを契約し、実際に使ってみてから収納やモニターアームを追加していくと、ムダなく自分に合った環境に近づけます。
第4章:購入 vs レンタル vs サブスクを徹底比較!コスパと安心感をシミュレーション
4-1. 3年間使った場合のトータル費用をざっくり比較してみよう
ここでは、あくまで一例として3年間使った場合の費用イメージを整理してみます。たとえば、5万円のオフィスチェアを購入したとします。この椅子を3年間使い続けると、1年あたり約1万7,000円、1か月あたりにするとおよそ1,400〜1,500円程度になります(50,000円÷36か月)。一方、レンタルやサブスクで月5,000円のプランを契約し、3年間使い続けた場合、合計金額は18万円(5,000円×36か月)です。
もちろん、実際のサービスでは月額1,000円台の椅子もあれば、ハイグレードチェアで月1万円以上のプランもあり、条件によって数字は大きく変わります。ここでのポイントは、「長く使うほど購入の方が有利になりやすい傾向がある」という、あくまで方向性です。高級チェアの代表であるアーロンチェアのように、購入価格が20万円台半ばの製品もありますが、月額1万円前後でレンタル・サブスク提供されている例もあり、「長期利用なら購入、短〜中期ならサブスクやレンタル」という考え方が現実的なラインになります。
参考までに、イメージを簡単な表にすると、次のようになります(あくまで一例であり、実際の料金はサービスやキャンペーンにより大きく変わります)。
| 方法 | 初期費用のイメージ | 月々の支払いの例 | 3年間利用した場合のイメージ | 向いているケースの例 |
|---|---|---|---|---|
| 購入 | 数万円〜(椅子代) | なし | 購入価格そのもの | 同じ椅子を長く使う予定がある人 |
| レンタル | 初期費用ほぼゼロ〜少額 | 月数千円〜(例:5,000円) | 条件次第で購入より高くなることも | 期間が決まっている利用(例:半年) |
| サブスク | 初期費用ほぼゼロ | 月数百〜数千円〜 | 長期だと購入より高くなることも | 期間が読めない・試しながら使いたい人 |
数字はあくまで目安ですが、「3年以上同じ椅子を使う可能性が高いなら購入も検討」「1年以内ならレンタル・サブスクも有力候補」といった感覚を持っておくと判断しやすくなります。
4-2. 「初期費用ゼロ」がキャッシュフローに与えるインパクト
特に起業したての法人や、独立したばかりのフリーランスにとって、「最初にどれだけお金が出ていくか」はかなり大きな問題です。たとえば、社員5人のオフィスで1脚5万円の椅子をそろえると、それだけで25万円が必要になります。さらにデスク、PC、プリンター、ネット環境なども合わせると、開業初期の出費が一気にふくらんでしまいます。
ここでレンタルやサブスクを使うと、椅子の初期費用をほぼゼロに近づけることができます。CLASやその他の家具サブスクでは、オフィスチェアを月数千円から借りられるプランがあり、初期導入コストを大幅に抑えられます。
その分の資金を、広告費や人件費、システム投資など、売上につながりやすい部分に回すことができるのは大きなメリットです。
個人の場合でも、「引っ越しで家電にお金がかかった」「PCを新調したばかりで椅子まで買う余裕がない」といったタイミングで、サブスクを使えば、必要なときにだけ月額で椅子を確保できます。「今は大きな出費をしたくないけれど、体に悪い椅子は避けたい」という人にとって、初期費用ゼロという仕組みは、とても心強い選択肢になります。
4-3. 法人の場合の経費計上イメージと、税務上のざっくりメリット
ここからは、あくまで「ざっくりとしたイメージ」としての話になります。税務の扱いは国や会社の状況によって変わるので、実際の処理は必ず税理士などの専門家に確認してください。
一般的に、日本の税制では、椅子のような備品を購入した場合、金額が大きいものは「減価償却資産」として、数年にわたって経費化していきます。国税庁の資料でも、器具備品は取得価額が10万円未満であれば、その年の必要経費として全額を計上できるとされていますが、それ以上の金額の場合は、耐用年数に応じて分割して経費化するのが原則です。
一方、レンタルやサブスクの利用料は、通常「賃借料」や「支払手数料」などとして、その支払った期の経費に計上されることが多いです。会計ソフトや税務解説サイトでも、オフィスの椅子をレンタルで導入した場合の処理は、月々の賃借料として扱う例が紹介されています。
この違いをざっくり言うと、「購入=一度にお金を払って、何年かに分けて経費になる」「レンタル・サブスク=月々支払い、月々経費になる」というイメージです。どちらが有利かは、会社の利益状況や資金繰り、会計方針などによって変わるため、「こうすれば絶対に得」とは言い切れませんが、キャッシュフローを分散したい会社にとって、レンタルやサブスクは検討する価値のある選択肢だといえます。
4-4. 価格だけで選ばないためのチェックリスト:保証・サポート・交換条件
オフィスチェアは、長時間体をあずける道具なので、「とにかく安いもの」を選ぶと、後から腰や肩に負担が出ることがあります。そこで、価格以外に必ずチェックしておきたい項目を簡単なリストにしておきます。
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保証期間はどのくらいか(購入の場合はメーカー保証、レンタル・サブスクの場合はサービス独自の保証)
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故障時の対応は修理か交換か、その費用は無料か有料か
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座り心地が合わなかった場合に交換ができるか、そのときの送料や手数料はいくらか
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配送・組み立て・設置サービスの有無と料金
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汚れや小さなキズがついた場合の扱い(修理費を請求されるか、通常使用の範囲として扱われるか)
家具サブスクの中には、「通常の使用でついた汚れやキズは修理チームが対応し、ユーザーに追加請求しない」と明記しているサービスもあります。
こうしたサポートが充実しているかどうかは、長期で考えたときの安心感に直結します。
このチェックリストを印刷するかメモアプリにコピーしておき、気になるサービスを比較するときに横に並べてみましょう。単に「月額が一番安い会社」ではなく、「自分の使い方にとって、総合的にコスパが良い会社」を選びやすくなります。
4-5. こんな人は購入がお得、こんな人はレンタル・サブスクがお得まとめ
最後に、「どんな人にはどの方法が合いやすいか」を整理しておきます。
購入が向いているのは、次のような人です。
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オフィスチェアにある程度こだわりがあり、好きなメーカーやモデルがはっきりしている
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同じ椅子を3年以上は使うつもりがある
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初期費用はかかっても、長期的なコストを安くしたい
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モノを大切に長く使うのが好き
一方、レンタルやサブスクが向いているのは、次のような人です。
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在宅勤務やオフィスの期間がどれくらい続くか分からない
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転勤や引っ越しが多く、今の椅子をずっと使えるか自信がない
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まずは試してみてから、自分に合う椅子を見極めたい
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今は大きな出費を避けたいが、体に悪い椅子は使いたくない
自分の働き方や生活の変化のしやすさ、性格などを振り返って、「変化に合わせて柔軟に変えたいか」「1つの物をじっくり使いたいか」を考えてみてください。どちらを選んでも正解は1つではなく、「今の自分にとってのベスト」が選べていれば、それが一番の成功です。
第5章:今日からできる!自分に合ったオフィスチェアサービスの選び方ステップ
5-1. まずはここから:用途と予算と期間を整理する簡単ワーク
いきなりサービスを検索し始めると、広告やキャンペーンに目を奪われてしまい、「結局よく分からないまま決めた」ということになりがちです。そこで、まずは紙とペンかメモアプリを用意して、次の3つを書き出してみましょう。「用途」「予算」「期間」です。
用途には、「在宅勤務用」「会社の新オフィス用」「勉強用」など、その椅子をどんな場面で使うのかを具体的に書きます。予算は、「一度にいくらまでなら出せるか」「月いくらまでなら出せるか」の2つを数字で書いてみてください。期間は、「最低でも何か月は使いそうか」「どこまで伸びる可能性があるか」を、さきほどの短期・長期の考え方を思い出しながら整理します。
この3つを書き出すだけで、自分が「購入向きか、レンタル向きか、サブスク向きか」の方向性がかなり見えてきます。たとえば、「在宅勤務がいつまで続くか分からない/初期費用はほとんど出したくない/月5,000円までならOK」という条件なら、サブスクやレンタルが有力候補になりますし、「新オフィスで3年以上使い続ける予定/多少まとめてお金を出せる/椅子にはこだわりたい」という条件なら、購入も前向きに検討できるはずです。
5-2. メッシュ・レザー・エルゴノミクス…椅子タイプ別の選び方のコツ
次に、自分に合いそうな椅子のタイプをざっくり決めておきます。よく見かけるのが「メッシュ」「レザー(合成皮革を含む)」「エルゴノミクス(人間工学)」といった分類です。
メッシュタイプは、背もたれや座面に通気性の高い素材を使っているものが多く、長時間座っても蒸れにくいのが特徴です。エアコンを強くしたくない人や、夏場に背中がベタベタするのが苦手な人に向いています。エルゴノミクスチェアの多くもメッシュ素材を取り入れており、代表的なモデルとしてアーロンチェアのような人間工学チェアがあります。
レザータイプは、高級感があり、見た目が落ち着いているため、役員室や応接スペースで好まれることが多いです。汚れが拭き取りやすいのもメリットですが、夏はやや蒸れやすいこともあるので、エアコンの効きやすい部屋や、座る時間がそこまで長くない人に向いています。
エルゴノミクスチェアは、人間工学に基づいて、腰や背中のカーブを支えるように設計された椅子の総称です。価格はやや高めですが、長時間座る人や腰痛が心配な人にとって、「仕事のパフォーマンス」と「健康」の両方を支えてくれる頼もしい存在です。
タイプを選ぶコツは、「自分が一番気になっているポイント」を1つ決め、それに直結するタイプを優先することです。暑さがつらいならメッシュ、腰が心配ならエルゴノミクス、来客が多く見た目重視ならレザー、といった具合に考えると、候補が一気に絞りやすくなります。
5-3. 試座・お試し期間をフル活用して「座り心地の失敗」を防ぐ方法
椅子選びで一番難しいのは、「座り心地は人それぞれ」という点です。同じ椅子でも、「最高!」と感じる人もいれば、「腰が痛くなった」と感じる人もいます。そこで重要になるのが、試座やお試し期間です。
もし近くに家具店やショールームがあるなら、気になるメーカーの椅子に実際に座ってみるのが一番確実です。短い時間でも、座った瞬間のフィット感、背もたれの支え方、座面の硬さなどがかなり分かります。全く同じモデルをレンタルできなくても、「このメーカーの椅子はだいたいこういう座り心地なんだな」といった感覚をつかむことができます。
サブスクやレンタルの中には、「一定期間以内なら交換無料」「最初の1か月はお試し価格」といった仕組みを用意しているところもあります。こうしたサービスを使うときのコツは、「試している間に、いつもと同じように仕事をしてみる」ことです。普段使っているデスク・モニター・キーボードとの組み合わせの中で、丸1日座ってみて、それでも違和感がなければ、その椅子は自分に合っている可能性が高いと考えられます。
少しでも「腰がつらい」「肩がこる」と感じたら、「そのうち慣れるだろう」と我慢せず、早めに交換や別のモデルの検討をするのがおすすめです。体への負担が積み重なってからでは遅いので、「少しでも不安なら変える」くらいの感覚でちょうど良いと考えておきましょう。
5-4. 契約前に必ず確認したいポイント一覧(送料・設置・返却条件など)
ここでは、契約前に確認しておきたいポイントを一覧にしておきます。これをチェックリストとして使えば、重要な情報の見落としをかなり減らせます。
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配送料はいくらか(エリアごとの違い、片道か往復か)
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組み立て・設置サービスの有無と料金(自分で組み立て可能かどうかも含む)
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返却時の送料や回収方法(自宅まで引き取りに来てくれるか、自分で発送するか)
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最低利用期間と途中解約時の条件(残り期間分の支払いの有無など)
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故障・破損時の対応(どこまでが通常使用の範囲で、どこから追加料金がかかるのか)
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座り心地が合わなかった場合の交換条件(回数制限や手数料、送料負担など)
家具レンタルの比較記事を見ても、「最低利用期間は3か月前後」というサービスが多い一方で、「1か月からOK」「36か月利用でそのまま自分のものになる」といったサービスもあり、条件は会社によってかなり違います。
特に返却条件は、契約時にはつい見落としがちですが、後になって「梱包が大変」「集荷の予約が取りづらい」といったストレスにつながりやすい部分です。自分の生活リズムや仕事の忙しさを想像しながら、「このサービスなら返却時も困らなそうか」をイメージしてみてください。
5-5. 申し込みから返却までの流れをイメージしてストレスゼロで利用する
最後のステップは、「申し込みから返却までの流れ」を一度イメージしてみることです。まず、申し込み方法を確認します。ほとんどのサービスはWEB申し込みで完結しますが、中には法人向けで見積書や契約書のやり取りが必要な場合もあります。自分一人で使う在宅用なのか、会社として導入するのかによって、手続きの手間も変わるので注意しましょう。
次に、納品までのスケジュールです。人気商品や新品オーダーの場合、到着まで時間がかかることがあります。椅子を使い始めたい日から逆算して、「遅くともこの日までには申し込む」という目安を決めておくと安心です。
椅子が届いたあとの流れも想像してみてください。組み立てが必要な場合、どのくらいの時間がかかりそうか、工具は付属しているか、一人で組み立てられそうか、といった点を考えておくと、開封してからあわてずに済みます。設置サービスをつけるかどうかを決める材料にもなります。
そして、利用期間が終わったときの返却です。「何日前までに解約の連絡が必要か」「集荷の希望日はどのくらい柔軟に選べるか」「梱包は自分で行う必要があるか」などを事前に確認し、仕事が忙しくなりそうな時期と重なるなら、少し早めに返却手続きを始めるのも一つの方法です。
ここまでの流れをざっくり紙に書き出してみて、「手間が少なそうだ」と感じられるサービスほど、実際に使ったときのストレスも少なくなります。価格だけでなく、「使っている自分の姿」を思い浮かべながら選ぶことが、満足度の高い椅子選びにつながっていきます。
まとめ
オフィスチェアを「買う」「レンタルする」「サブスクで使う」のどれにするかは、正解が1つに決まっているテーマではありません。大切なのは、自分や自社の状況に合わせて、リスクが小さく、ストレスが少ない方法を選ぶことです。
期間がはっきりしているならレンタル、いつまで使うか分からないならサブスク、長く愛用するつもりなら購入——そんな大まかな方向性を押さえたうえで、価格だけでなくサポート内容や返却条件まで含めて比較することが重要でした。さらに、椅子そのもののタイプ(メッシュ・レザー・エルゴノミクス)や、試座・お試し期間の活用など、「座り心地の失敗を減らす工夫」も欠かせません。
まずは用途・予算・期間を整理し、自分にとってどの方法が自然かを考えるところから始めてみてください。そのうえで、レンタル・サブスクの便利さも活かしつつ、将来の買い替えや事業の変化も見すえて選んでいけば、「腰にもお財布にもやさしい」オフィスチェアとの付き合い方がきっと見つかるはずです。快適な椅子は、集中力や仕事の質にも直結します。今回のポイントを参考に、自分にとってのベストな一脚と、納得できるサービスの選び方を探してみてください。


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