※本記事の料金やサービス内容は、特に断りのない限り記事作成時点での公開情報をもとにした目安です。実際の金額や条件は必ず各サービスの最新情報を確認してください。
洗濯機を「持たない」人が増えている理由

一人暮らしのスタートや転勤、結婚、出産など、生活が大きく変わるタイミングで必ず悩むのが「洗濯機をどうするか」という問題です。買うとなれば、数万円〜十数万円の出費になりますし、設置や故障、引っ越しや処分のことまで考えると、なかなか気が重い買い物です。
そんな中で近年広がっているのが、洗濯機をサブスクやレンタルで利用するという方法です。月額制で必要な期間だけ使え、初期費用を抑えながら暮らしを整えられるようになってきました。ただ、「長く使うと損なのでは?」「中古の衛生面が不安」「どれくらいの容量を選べばいいのか分からない」など、気になるポイントも多いはずです。
この記事では、洗濯機のサブスクとレンタルの違いから、一人暮らし・共働き・ファミリー別の選び方、サービスを選ぶときのチェックポイント、購入との損得比較、よくある疑問までをまとめて解説します。自分に合った「洗濯機との付き合い方」を見つける手がかりにしてみてください。
買うよりサブスク・レンタルが注目されている背景
少し前までは「洗濯機は買って当たり前」という感覚が主流でした。しかし今は、洗濯機をサブスクやレンタルで使う人が確実に増えています。背景には、家電の価格上昇とライフスタイルの変化があります。たとえば一人暮らし向けの全自動縦型洗濯機でも、3〜4万円台が中心価格帯で、ドラム式洗濯乾燥機になると10万円を大きく超えるモデルも数多くあります。
その一方で、主要なレンタル・サブスクサービスを見ると、4.5〜6kgクラスの全自動洗濯機が月1,000円台〜3,000円台前後から借りられるプランが登場しています。たとえばCLASでは、商品おまかせの全自動洗濯機を月999円から利用できるプランがあります。こうしたサービスのおかげで、「まとまったお金を用意しなくても洗濯機を持てる」選択肢が現実的になりました。
就職や進学、転勤などで住まいを変えることが多くなった今、「買うほどではないけれど、自宅で洗濯はしたい」という人が増えています。サブスクやレンタルは、こうした“とりあえずの数年”を快適に過ごすための、柔軟な選択肢として注目されているのです。
初期費用を抑えることが家計に与えるインパクト
引っ越しのタイミングは、敷金・礼金、仲介手数料、引っ越し業者の費用、家具・家電など、とにかくお金がかかります。洗濯機に5万円、冷蔵庫に8万円…といった形で一気に出費すると、貯金が一気に減ってしまうことも珍しくありません。
サブスクやレンタルを使えば、洗濯機単体は月1,000円台〜、洗濯機+冷蔵庫の2点セットでも月2,000円台〜といったプランがあり、初期費用をほとんどかけずに生活をスタートできます。もちろん、サービスによっては1万円前後のプランもあり、料金レンジは広いですが、「選び方しだいで、最初の負担をかなり下げられる」のは確かです。
この「一気にお金が出ていかない」ことは、家計にとって大きな意味があります。初期費用を抑えられれば、手元資金を生活費の予備や緊急時の備えに回せますし、貯金や投資、資格取得など自己投資に振り向けることもできます。洗濯機をサブスク・レンタルで賄うのは、単に“楽だから”というより、「お金の出ていくタイミングをならす」という賢い家計管理の一つと考えることができます。
ライフスタイルの変化と「所有しない家電」という考え方
最近は、車や家具、洋服など、様々な分野で「所有より利用」を選ぶ人が増えています。洗濯機もその流れの中に入りつつあります。「一度買ったら10年以上使う」のではなく、「今の自分の生活に合うものを、その時期だけ使う」という柔らかい発想です。
たとえば、一人暮らしで5kg洗濯機を使っていた人が、結婚して2人暮らしになり、さらに子どもが生まれると、必要な容量は8kg以上へと変わっていきます。Panasonicのガイドでも、洗濯物の量は「1人1日約1.5kg」、ファミリーで毎日洗うなら8kg以上を勧めています。 そのたびに洗濯機を買い替え、古いものの処分を考えるのは大きな負担です。
サブスク型のサービスの中には、一定期間利用後に機種変更や買い取りを選べる仕組みもあります。subsclifeのように、定価を超えない範囲で月額を払い続け、気に入ればそのまま自分のものにできるサービスもあり、「試しながら最適な一台を見つける」ことも可能になっています。「持つこと」が目的ではなく、「生活がどれだけ快適になるか」を軸に選ぶスタイルが、洗濯機にも広がっていると言えるでしょう。
引っ越し・転勤が多い人に便利な理由
転勤族や、数年ごとに住む場所が変わる人にとって、洗濯機は悩ましい存在です。洗濯機は重くて大きく、引っ越しのたびに運搬費がかかります。エレベーターのない物件では、階段で人力で運ぶために追加料金が発生することもあります。さらに、引っ越し先の防水パンが小さく、「買った洗濯機が物理的に入らない」というトラブルも実際に起こります。
サブスク・レンタルの場合、退去のタイミングで返却するだけで済み、新居ではあらためてその部屋に合った洗濯機を契約し直せます。主要なサービスの多くは、配送・設置・回収までパッケージとして提供しており、自分で家電量販店や自治体に処分の手配をする必要がありません。引っ越し時の精神的・金銭的な負担がかなり軽くなるため、「いつ転勤になるか分からない」人にとっては、大きな安心材料になります。
コインランドリーとの違いと上手な使い分け
洗濯機を置かずにコインランドリーを利用する人もいます。最近のコインランドリーは内装もきれいで、カフェ併設型など居心地の良い店舗も増えています。大きなドラムで布団や毛布を一気に洗って乾かせるのは、自宅の洗濯機にはない魅力です。ただし、1回あたりの料金は洗濯〜乾燥セットで数百円〜1,000円前後が相場で、週に何度も通う生活になると月の出費はそれなりの金額になります。
また、「店まで行く」「終わるまで待つ」という時間コストも無視できません。雨の日や寒い日、夜遅い時間に外出するのが負担に感じる人も多いでしょう。そこでおすすめなのが、「日常の洗濯は自宅の洗濯機(サブスク・レンタル)、布団や毛布など大型のものはコインランドリー」という使い分けです。こうすれば、自宅でいつでも気軽に洗濯しつつ、家庭用では難しい大物洗いだけをコインランドリーに任せることができます。お金と時間のバランスを取りながら、ストレスの少ない洗濯習慣を作ることができるはずです。
洗濯機サブスクとレンタルの違いを徹底比較
「サブスク」と「短期レンタル」の仕組みの違い
洗濯機を借りるサービスには、「サブスク型」と「レンタル型」があります。言葉が似ているので混同しがちですが、仕組みと想定している期間に違いがあります。
サブスク型は、数カ月〜数年単位で使うことを前提にした「月額課金の継続サービス」です。CLASやsubsclifeなどの主要サービスでは、最低利用期間が3カ月〜1年程度に設定されているケースが多く、その代わり月額は抑えめに設計されています。
一方、レンタル型は「1カ月だけ」「半年だけ」といった短期利用を想定した仕組みで、最低利用期間が30日から、という会社もあります。月額はサブスク型よりやや高めになりやすいものの、「短期間だけ必要」というニーズには非常にフィットします。
さらに、subsclifeのように「定価を超えないサブスク」で、利用後に買い取りを選べるハイブリッド型も登場しています。自分がどのくらいの期間その部屋に住みそうか、何年スパンで洗濯機を考えたいかによって、相性の良いサービスは変わってきます。
月額料金と総額のコスパをイメージしやすくする
サブスクやレンタルを検討するとき、真っ先に気になるのが「毎月いくらかかるのか」と「結果的にいくら払うことになるのか」です。ここでは、2025年11月時点で公開されている情報から、ざっくりとしたレンジを把握しておきましょう。
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一人暮らし向け4.5〜6kgクラス
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格安サブスク:CLASのおまかせ洗濯機で月999円〜。
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洗濯機単品サブスク:1,800〜3,000円台のプランも複数のサービスで見られる。
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高価格レンタル:新品指定や短期プランでは1万円前後になる例もある。
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家電セット(洗濯機+冷蔵庫など)
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代表例として、SKレンタルのサブスクで2点セット月2,100円、洗濯乾燥機を含むセットで月2,700円など。
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このように、同じ「一人暮らし向け洗濯機」でも、月額はおおよそ1,000円台〜1万円超まで非常に幅が広いのが実情です。
一方、購入の場合をシミュレーションすると、たとえば本体価格5万円の洗濯機を5年間使うと、1カ月あたりの本体コストは約833円(50,000÷60カ月)になります。サブスクで月3,000円のプランを5年使うと総額18万円になります。
数字だけを比べると購入が圧倒的に安く見えますが、購入側には「配送・設置費」「家電リサイクル法にもとづく処分費用」「故障時の修理費用」などが別途かかります。一方サブスク・レンタル側は、多くのサービスでこれらが月額に含まれているか、追加費用が比較的明確に定められています。
概念としては、
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1年以内:レンタル・サブスクの方がトータルコストを抑えやすい
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2年前後:購入とレンタル・サブスクでコストが近づく
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3年以上:購入が有利になるケースが増える
という傾向が、複数の比較記事で指摘されています。自分が何年使うつもりかをざっくり決めてから、紙に「購入の場合」「サブスクの場合」を書き出して比べてみると、選びやすくなります。
故障・トラブル時のサポート内容の違い
洗濯機はほぼ毎日動かす家電なので、故障したときのサポートはとても大切です。主要なレンタル・サブスクサービスの多くでは、通常の使い方で起きた自然故障については、無償で修理や交換を行うと明記しています。
ただし、
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誤った設置
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落下・ぶつけるなど明らかな過失
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水漏れを長期間放置して床や壁を傷めた場合
などは有償対応になることが多く、どこまでが無料かは利用規約で細かく決められています。
配送スピードもサービスによって異なります。早いところでは数日で交換機が届きますが、繁忙期や地域によっては1週間以上かかることもあります。「故障してから何日くらいで使えるようになるか」「その間のコインランドリー代を補償してくれるか」などは、契約前に確認しておきたいポイントです。
借りられる洗濯機の種類と選び方のポイント
サブスク・レンタルで借りられる洗濯機は、
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縦型全自動(4.5〜7kgの一人暮らし向け)
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縦型大容量(8〜10kgのファミリー向け)
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ドラム式洗濯乾燥機(7〜9kgクラス)
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乾燥専用機や衣類乾燥機
など、サービスごとにさまざまです。CLASのラインナップを見ると、9kg洗濯・4.5kg乾燥のドラム式洗濯乾燥機など、共働き向けの大容量モデルもサブスク対象になっています。
選ぶときの基本的な考え方は、
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縦型:本体価格・月額とも比較的安く、泥汚れに強い。シンプルで扱いやすい。
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ドラム式:水道代が少なく、乾燥機能が強力。洗濯〜乾燥まで一気に終わらせたい共働き向き。ただし設置スペースと価格は要注意。
です。さらに、縦型でも「簡易乾燥」付きモデルや、槽洗浄・部屋干しモード・お急ぎコースなど、多彩な機能が搭載された機種もあります。 どの機能が自分の生活に効いてくるか、イメージしながら選ぶことが大切です。
どんな人がサブスク向き?レンタル向き?タイプ別のおすすめ
サブスクと短期レンタル、どちらが自分に合うかは、住む期間と暮らし方で決まります。
サブスクが向いている人
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今の家に2〜3年は住む予定がある
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初期費用は抑えたいが、ある程度良い機種を使いたい
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故障や引っ越し時の手間をサービスに任せたい
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将来、容量や機能をグレードアップしたい可能性がある
短期レンタルが向いている人
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大学在学中だけ、一時的な単身赴任中だけなど、利用期間が1〜2年程度と分かっている
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すでに家電付き物件だが、備え付けが古いので入れ替えたい
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引っ越し先の生活が自分に合うか不安で、とりあえず様子を見たい
一般的には、「1年以内ならレンタル・サブスク優位、3年以上なら購入優位」という傾向がありますが、引っ越しの多さや故障時に自分で対応できるかどうかといった要素も含めて、トータルで判断するのがポイントです。
一人暮らし・共働き・ファミリー別おすすめプラン
一人暮らしに向いている洗濯機サイズと料金の目安
一人暮らしの洗濯機容量の目安として、複数の家電情報サイトでは「約4.5〜7kg」がよく使われています。週末にまとめ洗いするタイプの人なら6〜7kg、毎日少量を洗う人なら5kg前後でも十分というイメージです。
具体的な水量や電気代の目安としては、5kgクラスの全自動縦型洗濯機で標準使用水量92L程度、1回あたりの水道料金は約30〜40円前後とされることが多いです(東京都水道料金の目安をもとに計算)。 ドラム式の場合、7kgクラスで標準使用水量が約65〜70Lの製品もあり、縦型より節水できるケースもあります。
料金面では、2025年11月時点で、主要なサブスク・レンタルサービスの一人暮らし向け縦型洗濯機は、月1,000円台〜1万円前後まで広いレンジがあります。
ただし、1,000〜3,000円台のプランは「機種おまかせ」「中古品」「長期利用前提」といった条件が付くことが多く、短期利用や新品指定では月額が高めになる傾向があります。
一人暮らしでは、洗濯機置き場のサイズや扉の開き方も重要です。内見時に防水パンのサイズ(幅・奥行き)をスマホのメモなどに残し、それを元にサービス側に「このスペースに入る機種を希望」と伝えると、設置トラブルを避けやすくなります。
忙しい共働き世帯にうれしい乾燥機能付きの選び方
共働き世帯にとって、洗濯は「時間」との勝負です。朝の出勤前や夜遅い時間に、洗う・干す・取り込むまでをやりきるのはなかなか大変です。そこで頼りになるのが、乾燥機能付き洗濯機です。
ドラム式洗濯乾燥機の一例として、7kg洗濯・3.5kg乾燥のモデルでは、標準使用水量69L、洗濯時消費電力量65Wh(0.065kWh)、洗濯乾燥時1.75kWhといったスペックの製品があります。 1kWhあたり30円とすると、洗濯のみの電気代は1回数円程度、洗濯〜乾燥まででも50円前後のイメージです。
サブスク・レンタルでは、こうしたドラム式洗濯乾燥機を月4,000〜1万円超のレンジで提供しているサービスが多く、CLASのように9kg洗濯・4.5kg乾燥モデルを月9,900円程度で貸し出している例もあります。
共働き世帯で選ぶポイントは、
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「完全に乾いた状態まで仕上げたい」か、「部屋干し時間を短縮できれば十分」か
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洗濯物の量(8kg以上必要かどうか)
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洗面所や脱衣所のスペースにドラム式が入るか
の3つです。完全乾燥まで任せたいならドラム式、部屋干し補助なら縦型の簡易乾燥でもかなり便利です。サブスクを利用すれば、数年ごとに暮らしの変化に合わせて機種を見直すこともできます。
子どもがいる家庭におすすめの容量と機能
子どもがいる家庭では、洗濯物は一気に増えます。Panasonicの目安によると、洗濯物の量は1人1日約1.5kgとされています。 4人家族で毎日洗うなら、少なくとも8kg以上の洗濯容量があると余裕をもって回せます。
このクラスの洗濯機では、標準使用水量が90L前後の縦型、65〜70L程度のドラム式などが代表的です。 大容量でも、最新モデルではインバーター制御や自動水量調整によって、省エネ性能が上がっています。
子育て家庭で便利な機能としては、
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「お急ぎコース」:体操服や制服を短時間で洗いたいときに活躍
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「槽洗浄」「カビ対策コース」:湿気が多い季節でも洗濯槽を清潔に保ちやすい
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「部屋干しモード」:部屋干し臭を抑えたいときに便利
などがあります。 サブスク・レンタルなら、こうした機能が充実した中〜上位機種でも、月額に分散して無理なく導入できます。「家事の時短につながる機能かどうか」を基準に選ぶと、満足度が高くなります。
短期間だけ使いたい学生・単身赴任向けの選び方
大学進学で初めて一人暮らしをする学生や、1〜2年の単身赴任など、「使う期間がはっきりしている」ケースでは短期レンタルの強みが光ります。主要な家電レンタルサービスでは、30日〜の短期間から契約できるプランや、1年・2年など期間を指定するパックを用意しているところが多くあります。
選ぶ際のポイントは、
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最低利用期間と総額
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設置費・回収費の有無と金額
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配送エリアと繁忙期の混雑
の3点です。たとえば、月1,850円のサブスクに見えても、最低利用期間が1年で設置・回収にそれぞれ数千円かかると、トータルではまとまった金額になります。
学生の場合、3月〜4月の引っ越しシーズンは予約が埋まりやすいので、合格発表後に早めに申し込んでおくと安心です。単身赴任の場合は、会社の家賃補助や社宅制度との兼ね合いもあるので、「家電付き物件+家賃」「自分でレンタル+家賃」の2パターンを比較してから決めるのがおすすめです。
高齢の家族がいる場合にチェックしたいポイント
高齢の家族がいる家庭では、洗濯機選びで「操作の分かりやすさ」と「身体への負担」を意識したいところです。文字が小さく、ボタンが多すぎる機種は、慣れるまで時間がかかったり、誤操作の原因になりやすくなります。
縦型洗濯機の中には、「大きな文字のダイヤル」「シンプルなボタン配置」を売りにしたモデルもあります。 また、腰を曲げるのがつらい場合は、あまり深すぎない槽の高さかどうかもチェックしたいポイントです。
サブスク・レンタルを利用するメリットとして、「実際に使ってみて合わなければ、別の機種に変えられる」点があります。主要なサービスでは、一定期間経過後のプラン変更や機種変更に対応しているところもあります。高齢の家族が安全に、ストレスなく使えるかどうかを軸に、必要があれば途中で機種を見直す前提で選ぶのも良い方法です。
失敗しない洗濯機サブスク・レンタルサービスの選び方
月額料金だけを見るのではなく総額と解約条件を確認する
サービスのサイトを見ると、真っ先に目につくのは「月◯◯円〜」という表示です。しかし、ここだけを見て決めてしまうと、「思っていたより高くついた」ということになりかねません。大切なのは、自分が使う予定の期間を決めて、その期間での総額をイメージすることです。
たとえば、月3,000円のプランを2年間利用する場合、3,000×24カ月で72,000円です。ここに設置費や回収費、オプション料金が加わることがあります。一方、5万円の洗濯機を購入して2年間使うと、本体価格だけで見れば50,000円ですが、設置や将来のリサイクル料金、故障時の修理費を足していくと、数字はまた変わってきます。
また、サブスク型サービスでは最低利用期間が1〜3年程度に設定されているケースも多く、その期間以内に解約すると解約金が発生することがあります。「残り期間分の一定割合を一括請求」など、条件はサービスごとに異なるので、契約前に利用規約の該当箇所を一度は読んでおきましょう。
設置費・回収費・配送エリアのチェックポイント
洗濯機は重く大きいので、配送・設置・回収の条件も重要です。主要なレンタルサービスの比較記事を見ても、
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設置・回収とも無料
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設置は無料だが、回収は別料金
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設置・回収ともに地域や階数によって追加料金
など、取り扱いはさまざまです。
確認しておきたいポイントは、
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自分の住む地域が配達対象エリアか
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離島や山間部に追加送料がかからないか
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階段での運搬に追加料金が発生しないか
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退去時の回収費用が無料か有料か
といった点です。引っ越し日が決まっている場合は、「その日までに確実に設置されるか」も大事です。3〜4月の繁忙期は配送枠が埋まりやすいので、早めに予約するようにしましょう。
故障時の交換スピードと保証内容を見極める
「もし壊れたらどうなるか?」は、利用者にとって非常に気になる部分です。家電レンタルの比較記事によると、主要なサービスの多くが、
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自然故障や通常使用でのトラブルは無償修理・交換
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過失の場合は実費負担
という方針をとっています。
ここで確認しておきたいのは、
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どこまでが自然故障とみなされるか
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修理・交換の間、洗濯機が使えない期間の目安
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連絡方法(電話・メール・チャット)と受付時間
です。洗濯機が止まると生活への影響が大きいため、交換まで一週間かかるか二日で済むかは、体感的にはかなり違います。多少月額が高くても、サポートの評判が良いサービスを選ぶ、という考え方も十分アリです。
中古・新品どちらを選ぶかと、清掃・メンテナンスの基準
サブスク・レンタルの洗濯機には、新品だけでなく中古(リユース品)も多く使われています。中古と聞くと不安になるかもしれませんが、主要なサービスでは、返却された洗濯機を分解洗浄・点検し、問題のないものだけを再レンタルすると説明しています。
中古を選ぶか新品を選ぶかは、
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月額をできるだけ抑えたいか
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見た目や衛生面にどこまでこだわるか
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使用期間がどれくらいか
によって変わります。
判断材料としては、
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清掃・メンテナンス内容が具体的に書かれているか
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取り扱う製造年の目安(例:製造から7年以内)を示しているか
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新品指定オプションの有無と追加料金
をチェックすると良いでしょう。リユース品を活用したサブスクは、廃棄を減らすという意味で環境負荷の軽減にもつながるとされています。
口コミ・評判の読み方と注意点
最後に、サービス選びで役立つのが利用者の口コミやレビューです。ただし、星の数や一言コメントだけで判断すると、実態とずれることもあります。
参考にしやすい口コミの特徴は、
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良かった点と良くなかった点の両方を書いている
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「設置に◯分かかった」「問い合わせに◯日で返信があった」など具体的なエピソードがある
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利用期間や地域、借りた機種が明記されている
といったものです。SNSやブログでは、届いた洗濯機の写真を載せている人も多いので、中古の外観や傷の程度をイメージするのにも役立ちます。
ただし、口コミはあくまで個人の経験談です。1件だけを真に受けるのではなく、複数の意見をざっと眺め、「サポートの対応」「機種の状態」「配送のスムーズさ」など、自分が重視するポイントに関するコメントを中心に見るのがコツです。
サブスク・レンタルのメリット・デメリットとよくある疑問Q&A
購入と比べたメリット・デメリットを整理する
洗濯機サブスク・レンタルを検討するときは、「購入と比べてどう違うのか」を一度整理しておくと、判断しやすくなります。
サブスク・レンタルの主なメリット
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初期費用を大幅に抑えられる(1,000〜3,000円台から始められるプランもある)
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配送・設置・回収をサービス側に任せられる
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故障時の修理・交換が無償対応になるケースが多い
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ライフスタイルに合わせて機種や容量を変更しやすい
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中古品を循環利用することで、廃棄を減らす取り組みの一環にもなる
サブスク・レンタルの主なデメリット
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長期(3年以上)利用すると、購入より総額が高くなりがちな傾向がある
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契約期間や解約条件の制約があり、途中解約には違約金が発生する場合がある
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過失による破損や汚れがあった場合、別途費用がかかる可能性がある
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機種を完全には指定できない「おまかせプラン」も多い
購入の主なメリット
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長期利用するほど1カ月あたりのコストは下がる
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契約期間の制約がなく、好きなタイミングで買い替え・処分できる
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好きなメーカー・機能・デザインを自由に選びやすい
購入の主なデメリット
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初期費用が大きい
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故障時の修理や買い替え、処分時のリサイクル料金などを自分で負担する必要がある
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引っ越しのたびに運搬・設置の手配が必要
どちらが正解というより、「何年使うつもりか」「引っ越しの可能性はどのくらいか」「初期費用をどれくらい抑えたいか」で向き・不向きが変わると考えると分かりやすいです。
「長く使ったら損?」をシミュレーションしてみる
「サブスクやレンタルは、長く使うと損なのでは?」という不安はよく聞かれます。先ほどの例をもう一度整理してみましょう。
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本体価格5万円の洗濯機を5年使う場合
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1カ月あたりの本体コスト:約833円(50,000÷60カ月)
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月3,000円のサブスクプランを5年使う場合
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総額:18万円(3,000×60カ月)
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単純に本体代だけを比べれば、購入が圧倒的に有利です。しかし、購入した場合には、
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配送・設置費
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故障時の修理費
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5年後に買い替える際のリサイクル料金(家電リサイクル法にもとづく2,530〜3,300円程度が一般的)
などが追加されます。サブスク・レンタルでは、これらの多くが月額や追加サービスとして一体化しており、自分で手配する手間が少ないというメリットがあります。
大まかな目安として、
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1年以内:サブスク・レンタルの方が安く、手間も少ないことが多い
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2年前後:購入とサブスク・レンタルのコストが近づく
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3年以上:購入の方がトータルで安くなるケースが増える
というイメージを持っておくと、自分の利用年数に合わせて判断しやすくなります。
引っ越しや途中解約のときはどうなる?
レンタルやサブスクを利用する際に心配なのが、「途中で引っ越すことになったらどうするのか」「思ったより早く解約したくなったらどうなるのか」という点です。
多くのサービスでは、引っ越し時の対応として、
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一度回収して契約を終了し、新居であらためて契約する
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追加料金を払って同じ洗濯機を移設してもらう
のいずれかを選べるようになっています。引っ越しが多い人は、移設サービスの有無と料金を事前にチェックしておきましょう。
途中解約については、
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最低利用期間を過ぎていれば解約金なし
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期間内に解約する場合は、残り期間分の一定割合を支払う
といったルールのサービスが多いです。短期利用を考えている人は、「最初から1年・2年など期間を決められるプラン」や「違約金が低めのプラン」を選ぶと後から動きやすくなります。
型落ち・最新モデルはどの程度選べる?
「サブスクやレンタルだと古い型落ち機種ばかりなのでは?」という不安もよく聞きますが、実際にはサービスによって方針が分かれます。
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価格重視のプラン:数年前のモデルを中心にラインナップし、月額を抑える
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ハイグレードプラン:最新のドラム式や高機能モデルをラインナップし、月額は高め
subsclifeのように、新品・有名メーカーに特化し、「定価を超えないサブスク」として提供するサービスもあります。一方、CLASのようなサービスでは、リユース品をきれいに整備してサブスクとして提供し、環境負荷の軽減もアピールしています。
ここ数年の洗濯機は、省エネ性能や静音性が大きく向上しており、2〜3年前のモデルでも日常使いには十分な性能を持つものが多くあります。 「最新機能にどこまでこだわるか」「月額をどこまで抑えたいか」を考えて、型落ち中心のプランか新品中心のプランかを選ぶと良いでしょう。
よくある疑問Q&A(衛生面・騒音・電気代・環境への影響)
Q1:中古の洗濯機って衛生的に大丈夫?
主要なレンタル・サブスクサービスでは、返却された洗濯機を内部まで分解して洗浄し、除菌・消臭を行ったうえで再度レンタルに回すと説明しています。 それでも不安な場合は、「新品指定オプション」があるサービスを選ぶのも一つの方法です。
Q2:賃貸でも騒音は問題にならない?
最近の洗濯機は運転音をかなり抑えたモデルが多く、洗濯時30〜40dB台という製品もあります。 ただし、木造アパートや防音性の低い建物では、深夜の使用を控えるなど、最低限の配慮は必要です。
Q3:電気代と水道代はどのくらい?
5kgクラスの縦型洗濯機で標準使用水量90〜100L程度、1回あたりの水道料金は30〜40円前後が目安です。 ドラム式7kgクラスでは、標準使用水量が約65Lという機種もあり、縦型より節水できる場合があります。 電気代は、洗濯のみなら1回数円〜十数円、洗濯〜乾燥まで行うと数十円になるイメージです。
Q4:環境への影響は?
日本では、洗濯機は家電リサイクル法の対象品目であり、処分時には2,530〜3,300円程度のリサイクル料金が必要です。 サブスク・レンタルでは、返却された製品を再利用することで廃棄を減らす取り組みを行っている事業者も多く、「買って捨てる」というサイクルを減らせる点で一定の環境メリットがあると考えられます。
まとめ
洗濯機のサブスク・レンタルは、「洗濯機は買うもの」という固定観念から一歩離れて、自分のライフスタイルや家計の状況に合わせて柔軟に選べる新しい選択肢です。初期費用をぐっと抑えつつ、故障時の対応や処分、引っ越し時の手間をサービス側に任せられるのは、転勤が多い人や、これからの生活がまだ固まっていない人にとって大きな安心材料になります。
一方で、同じ洗濯機を3年以上長く使い続けるつもりなら、購入したほうが総額は安くなるケースが多いのも事実です。洗濯機選びで失敗しないためには、「何年ぐらい使う予定か」「その間に引っ越しの可能性がどのくらいあるか」「家事にさける時間をどれくらい短縮したいか」といった条件を整理したうえで、購入・サブスク・レンタルを並べて比較することが大切です。
サービスを選ぶ際には、月額料金だけでなく、設置費・回収費・解約条件・保証内容・清掃・メンテナンス体制などもチェックすることで、「思っていたのと違った」というミスマッチを避けやすくなります。容量の目安は、一人暮らしなら4.5〜7kg前後、ファミリーなら8kg以上を目安に、自分の洗濯頻度や家族構成に合わせて考えるとよいでしょう。
洗濯機を「買うかどうか」だけを考えるのではなく、「買う」「借りる」「とりあえずサブスクで試す」という複数の選択肢を並べたうえで、自分にとって一番ラクでムダの少ない方法を選んでみてください。そうすれば、毎日の洗濯時間やお金の不安が減り、暮らし全体の快適さが一段と上がっていくはずです。


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